長編連載小説『破線』第154話。
警視庁科捜研に、関川という鑑識課員がいた。俺は、関川を知っている。ライターを物証として、提出すると、関川が、浸潤液に浸して、解析しながら、
「このライターには、高橋のDNAが付着してる。決まったな」
と結論付けた。そして、その後、ルーペで、ライターの概観を眺め、もう一度、浸潤液に浸し直し、
「これは、高橋秀雄の皮膚片だ。ライターの持ち手に、こびり付いてた」
と言って、ゆっくりと、息を吐く。犯行は、あの湖沼で行われた。決まったも同然だ。(以下次号)
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