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長編連載小説『破線』第85話。

 俺の苦労は、無駄にならなかった。実際、俺は父親を抹殺した。二度と会いたくないと思った。それが、俺の結論だった。もう、10年以上前の事で、俺が、警察に入庁したての頃だ。俺はあの当時、巡査だった。今は警部補だが、当時、俺は邏卒で、何もなかった。でも、良い。地獄は終わった。今、俺は、鎌田と組んで、別の警官人生を歩んでいる。これが、俺のやり方で、実際、父親の事は、投げ打って、然るべき事だった。俺は仕事をした。誰から何と言われようと、やる。それしかない。そう思っていた。実際、巡査時代の俺は、食うや食わずで働いた。でも、それは、過去の話だ。もう、あの鬼父もいない。清々したのだった。ゴミと食べ物の区別も付かない廃人など、こっちが願い下げだったからだ。(以下次号)

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