見出し画像

長編連載小説『破線』第151話。

 辺り一帯の湖沼を探している内に、物証のライターが1本見つかった。

「あったぞ。これだ」

 俺が手に取って言うと、板敷が、

「永井、やったな。殊勲賞だ」

 と言い、掌を返したように褒める。板敷が、ライターに付いていた指紋を、専用の着色液で採取し、

「これが、高橋の物と一致すれば、決まりだ。捜査は次の段階に移る」

 と言って、ゆっくりと、息を吐く。湖沼には、たくさんのカラスや鴫がいた。辺りは、陥没していて、危険地帯である。(以下次号)

いつも読んでいただき、ありがとうございます!