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長編連載小説『流刑地』第124話。

 トルーニャは、コートを羽織ると、ゆっくりと、あたしの方を見据え、

「どう?似合う?」

 と訊いてきた。

「ええ、とっても」

 あたしが頷き、ゆっくりと、アウトレットの天井へ目を移した。天井には、暖房機が付いている。実際、暖房が利けば、ここは過ごしやすい。あたしも思う。冷える時は、やはり、暖房だと。実際、ロシアは凍土だ。凍て付き、寒い。(以下次号)

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