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長編連載小説『流刑地』第130話。

 タクシーに乗り込んだ瞬間、お腹が減ったので、トルーニャに、

「何か食べない?」

 と訊いてみると、金髪碧眼の少女が、

「オバサン、良いの?また、お腹出るよ」

 と言って、笑う。小娘だ。あたしは、普通に接していて、トルーニャのこういったところに、活発さを感じる。実際、ロシア人は、食べるし、豪快だ。あたしも、そういった事が分かっていた。実際、不自然さはない。風土がそうなのだ。元々、食に関して、ある一定の豪快さがある。(以下次号)

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