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長編連載小説『流刑地』第126話。

 トルーニャは、着ていたコートを翻し、ゆっくりと、あたしに、

「ミチ、似合う?」

 と改めて、訊いてきた。

「うん、良いわよ。似合ってる」

 あたしが即答すると、トルーニャが、

「そう?あたしは、痩せ体型だから、このコートが良いな」

 と返し、ゆっくりと、その場で回って見せる。ロシア人の少女は可憐だ。また、愛嬌があって良い。あたしはそう思った。実際、寒冷地にいれば、自ずとそうなるのだ。寒い気候が、人を鍛える。(以下次号)

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