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長編連載小説『流刑地』第129話。

 トルーニャは、買ったばかりのコートを羽織って、アウトレットを出ると、停まっていたタクシーに乗り込んだ。疲れていると思う。あたしも察した。お腹だって、減っているだろう。実際、ロシア人は、食べるのだ。あたしも、太っちょさんだけど、実際、食べないと持たない。ロシアは、風土が厳しい。風は冷たく、ツンドラが広がっている。実際、あたしたち日本人が来ても、難しいのだ。あたしも、タクシーに乗り込んだ瞬間、お腹が減った。空腹なのだった。(以下次号)

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