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長編連載小説『流刑地』第125話。

 アウトレットの天井の暖房機は、稼働し出した。辺りには、暖房が利き始める。寒いから、猶更、有難い。あたしも、着ていたコートの襟を締めた。寒さで、きついと思って、だ。トルーニャは、着たばかりのコートを、あたしにひけらかす様にしながら、ゆっくりと、辺りを見回す。天井の暖房機は稼働していた。暖房が利き始めると、辺りは仄かに暖かくなる。救いだった。ロシアは寒冷地だ。寒いから、猶更である。あたしも、品川オフィスでは、暖房を利かせて、何とか凌いでいる。それしか、冬の寒さを凌ぐ方法はない。(以下次号)

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