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『めんどくさい』は進化の前兆

皆さん、めんどくさいと感じることはありますか?

もし、ここで「ありません!」と自信ありげに答えた方は要注意です。
なぜなら、「めんどくさい」はカイゼンのシグナルだからです。そのシグナルを感じないということは今の状態に満足していると考えることができるからです。

めんどくさいと感じる人が一人いたら、ほかにもそう感じている人がおかしくありません。

めんどくさいを感じよう

学生なら「宿題めんどくさいな~」「授業出るのめんどいなぁ」「公式覚えるのめんどくさいな」「ノートとるの面倒」「教科書重いし持ち運ぶの面倒」...

社会人なら「書類作成めんどくせーな」「そもそも会社行くのめんどくさいなぁ」「議事録面倒やな」「会議面倒やなぁ」「ハンコそんなに要る?面倒でしかない」...

私生活なら「部屋の片づけめんどくさい」「ご飯作るのめんどくさい」「買い物行くのめんどくさい」「朝起きるのめんどくさい」「洗濯するのめんどくさい」「掃除めんどくさい」...

いろいろあると思います。でもこの「めんどくさいな~」の後には、「~~だったらいいのに」とか「~~にしたらいいのに」とかいう言葉が続かなければ、それはただの不平不満でしかなく、次にはつながりません。

めんどくさいには2パターン存在する

めんどくさいと思うことは大事なポイントと説明しましたが、この「めんどくさい」には2パターン存在します。

1.ただなんとなくやりたくない(でもしなければならない)
2.ほかのもっとやりやすいやり方があるのに(でもルール上できない)

上記の2パターンあると思います。

パターン1は、本人が目的自体をしたくない場合です。この場合は、やらなければならないものか実はしなくてよいものかの見直しから始めることになります。まぁたいていの場合は、我慢してやるしかないことのほうが多いでしょう。
もちろん、必ずしも代替の方法がないわけではありません。例えば、宿題がめんどくさいという場合、「授業をまじめに受けて、しっかり理解します。テストの点数が70点切ったら宿題に応じます、それ以上の時はしないでもいいルールにしてください」という提案を先生に投げるなどが考えられます。まぁダメ元ですけどね。

パターン2は、やり方を変えることでしなくてもよくなる場合です。このパターンの多くは「手段が目的になっている場合」であると思われます。例えば、書類作成は「証拠を残すこと、情報を伝達すること」が目的であるのに「書類を作ること」が目的にすり替わってしまっていることが多々あるかと思います。情報が「関係者に正確に伝わること」と「時が経った時に確認できること」を満たしているのなら、形式は何でもよいはずなのに、記述しにくい書式や見にくいフォーマットになっている書類に苦労して書き込んでいるケースはないでしょうか?
形式を見直すこと、そもそも形骸化している(見直されることも共有されることもない状態になっている)のなら思い切って止めてしまうのも解決策の一つだと思います。

めんどくさいと思う作業の真の目的は?

先ほど挙げためんどくさいの例ですが、その真の目的を理解することで、必要な作業と思い込めたり、変えるきっかけにできると思います。以下のように目的を考えてみます。(一例です)

「宿題」⇒「授業内容を理解を再確認すること」
「授業参加」⇒「教科書の内容を教えてもらうこと」
「公式の暗記」⇒「問題を解きやすくすること」
「ノート」⇒「授業の内容を記憶に定着させる行為」
「教科書運ぶ」⇒「盗難やいたずらの防止、家庭学習」
「書類作成」⇒「記録、情報共有」
「通勤」⇒「仕事する環境と自宅への移動」
「議事録」⇒「会議の記録、情報共有」
「会議」⇒「意見交換、確認、決定」
「押印」⇒「確認したことの証明」
「部屋の片づけ」⇒「快適な住生活」
「炊事、料理」⇒「栄養摂取」
「買い物」⇒「資材調達、食事」
「朝の起床」⇒「学校や仕事行くため」
「洗濯」⇒「快適な衣生活」
「掃除」⇒「清潔な住生活」

真の目的が分かれば変えられる

上の目的の真の洗い出し作業はめんどくさいパターン1でもパターン2でもやってみてください。パターン1の場合でも目的意識があれば、やれるようになることもあると思います。
ではここでは前回のnoteでも話題にした「会議」を例に考えてみましょう。

会議の目的は主に「意見交換、確認、決定」だと思います。
これは本当に参加者の時間を割いて同じ場所に集まって行う必要がある行為でしょうか?

実は、多くの場合、意見交換ならメールやチャットツールで行えますし、決定でさえそこで行うことも可能です。顔を突き合わせて議論の場を設けるのは、儀礼的習慣的顔が見えているほうが話しやすいという理由でしょう。顔が見えていることで、参加しているという意識は高くなるでしょう。でもそれは真の目的とはズレているのです。もちろんチャットツールやメールではテキストベースの議論になってしまい、表情が読み取れないので、誤解を生じる可能性はあります。また、モノを見せるような会議であれば、写真や動画で代用することになり、わかりにくくなることもあると思います。そういう場合は会議を開くほうが都合がよいでしょう。

こういう風に進めたいと思います。資料は先日共有したものです。異論のある方はいらっしゃいますか?

というだけの内容なら、資料は事前配布であるし、異論があれば返信すればいいだけなので、集まる必要はありませんね。

このように、真の目的を考えると、別のやり方に置き換えることができるものも多いです。いままでのやり方だからというのは理由にはなりません。否定するのなら、もっと合理的な理由(実物をその場で見ていただき意見を伺うなど)がなければなりません。

めんどくさいを改善する提案をしてみよう

では真の目的が分かり、改善策も見つかった次にやることは何でしょう?
そう「提案して変える」ことです。(自分だけにかかわることなら自分の生活を改善したらそれで終了です)

やり方を変える提案をするのなら、以下の4項目を提示することが大事です。

1.面倒と思うのは自分だけではないこと
2.作業の目的を再確認すること
3.新しいやり方の優れているところ
4.目的を満たしていること

この4項目を外すと、ただの不平不満に聞こえてしまいます。必ず4項目は含めるようにしましょう。1項目目については、戦略的に置いておいて、最後に「ではほかの人にもアンケートを取って確認します」としてもいいでしょう。賛同者が多ければそれだけ説得力が上がりますから、自分以外の誰かを引き入れておくのは重要なステップです。

ここから先は、提案方法の裏技であり、人間関係を悪くする可能性もある方法ですので、読みたい方のみ続けて読んでください。最後のまとめに飛んでいただければ幸いです。

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慣習を変える強行突破術

ここまで読んでくださった方は、めんどくさい事柄について改善したいという思いが強く、改善活動に興味がある方だと思います。

ここからの内容は、特に責任を持てない裏技的な交渉術です。自由に発言できる環境であること、またはこの技を使うことで居づらくなる可能性があることを覚悟のうえでお使いください。(責任は負えません

ただ、おもしろいと思ってくださったら幸いです(スキやフォロー、コメント、シェア、サポートしていただければ幸いです)

では続けましょう。

1.無理な改善提案(反対されることを覚悟した提案)を持ち掛ける
「そんなの無理だ、そういう考えはおかしいと思う」という否定のワードを相手に出させる。

2.一旦その否定を受け止める
「そうですね。やっぱりおかしいですよね。私もちょっとおかしいかなと思ったんです」と嫌みのないように受け止める。

3.改善したい内容についての疑問を投げかける
「でも、今までのやり方について、やりにくいと疑問を持たないこともおかしいと思うんですよ。例えば、これってコレコレの3つの手順を踏まなければなりませんが、こうすることで1回でできます。これって大幅な工数削減じゃないですか?しかも削減することによるリスクも殆どないと思います。もちろん、このことは気づいてましたよね?私の提案をおかしいと思う○○さんならきっとお気づきだと思っています」と現行のやり方についての疑問を持っていないことについて、おかしいと続け、それにももちろん気づいていましたよねと続ける。

はい、ここまで読んで、雲行きが怪しくなってきたのを感じたと思います。
相手の指摘を一旦飲んで、真の言いたいことを言うという方法です。しかも、相手が「おかしい」と返したことを受けて、別の観点から現行のやり方について疑問に思えるところを突く。そして人のやり方に対して疑問を持って返答できる相手なら、当然現行のやり方のやりにくさにも疑問を持っているはずですよね?と責め込んでいます。

かなり踏み込んでいて、危険な戦法です。用法容量を守って適切に使ってください。もちろん私もここまで踏み込んだ論法は使ったことはないですが、思い切った提案をして、否定されたら、「でもこれは変えたらやりやすくなるとは思いますよね?」くらいの返しならしたことはあります。これは、安易に否定しにくいのですよね。気づいていないとは言えないからですね。

ここで述べた内容は、めんどくさい作業をなくすための提案術の一つであり、多用すると人間関係がまずくなる可能性があるので、あまりお勧めしませんが、相手を説得する技としてどこかで使えるかもしれません。「知らない」「気づいていない」というのはなかなか言い出せないという弱みに付け込んだやり方ですからね。あと余談ですが、「当たり前」という言葉を多用する人ほど「当然ですよね?」という言葉に弱いです。自分だけ知らないというのは嫌がるものですから。

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まとめ

めんどくさいというのはネガティブな印象のあるワードですが、捉え方によっては、ものすごく大事な感覚なのです。

めんどくさいと思う頻度の高い人は、改善力の塊のような人だと思います。

めんどくさいという感情をただの不平不満に終わらせずに昇華させたら、きっともっと楽しい毎日が待っていると思います。

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