読みたいことvs書きたいこと

こんとん!
僕がnoteを始めたきっかけは田中泰延(たなかひろのぶ)さんの『読みたいことを、書けばいい』(ダイアモンド社)を読んだことにある。元々脚本を書く等、文を書くことがある僕にとって、大変興味深い本だった。本屋で見かけ、タイトルに惹かれ、軽く立ち読みして、即決で買った。読んでみて大変面白い。
直近に読んだものに影響されやすい僕は、この本を読んで文章、特に随筆を書いてみたくなった。この本に書いてある真理、「読みたいこと」を書くことを実践すれば面白いものが書けるはずだ、と。
こうして、いくつかの散文を書き散らした次第ですが、これまたどうにも面白くない。おかしい。僕は「読みたいこと」を書いたはずだ。面白くないのには理由があるはずと思い、自分の文章を分析してみる。いくつか理由は浮かび上がって、そもそも書くテーマについて何の下調べもしていない、自分の脳内の知識だけで書こうとしたといった点が挙げられるが、もっと重要な問題な行き着いた。
「読みたいこと」ではなく、「書きたいこと」を書いていたのだ。
一見両者は同じもののように見えるが、全然違う。「読みたいこと」とは読み手の好奇心を満たすものである(これは田中氏の主張からずれてそうだが)。知らなかった知識を知って「へぇー」ってなったり、斬新な仮説に「なるほど」ってなったり…。つまりは、読者にとっても面白いと思えるものである。
一方「書きたいこと」は書き手の好奇心を満たすだけの行為と言える。「こういう書き方をしたら面白いわwもしくはウケる、バズるわw」的な感覚で書いてしまう現象である。言い換えれば自己満足である。
ぼくの中では、『読みたいことを、書けばいい』の真髄は叩きこまれているものだと思い込んでいたが、どうやらまだまだのようだ。こりゃ何回も読み返す必要があるぞ。もう一冊、書き込み用に買った方がいいかもしれない。あるいは、新鮮な気持ち(?)で読むためにもう一冊買った方がいいかもしれない。もしくは、耳で聞く方が効果的(最近の科学的にはそうらしいですって。くわしくはハーバード流オックスフォード術の本でも買ってください)なのでオーディオブックで買うのも一手だ。
というわけで、みんな読もう!

おわり。

この記事が参加している募集

読書感想文

更新頻度は低いですが、サポートしていただけると生活が少しばかり潤いますので、更新頻度も上がるでしょう。