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冬の夜の嵐②~切迫早産で入院中に出血~

前回の記事はこちらです。切迫早産で入院中、夜中に突然出血をし、車イスで診察室へ向かいました。

※ 前回の記事同様に、出血した出来事を振り返ります。ご心配な方は、どうぞ読むのをお控えください。


診察室で内診。

車イスから内診台へ、えいっと移りました。出血がものすごく、動くのが大変だったのです。

看護師さんが数人、手を貸してくれました。

お腹が張ると、それに合わせて噴水のように出血するのが分かりました。

恐怖の中で、ひたすら祈っていました。

赤ちゃんがどうなってしまうのだろう。

怖い。祈る。いのる。いのる。


胎児の心拍を測定するモニターから発信される音は、ずっと一定に鳴ってくれていました。

赤ちゃんは元気にしてくれているのに、こんなに出血がひどいと、お腹から出さなくちゃいけなくなる。

入院時の病院の規定で、赤ちゃんが500gに満たない状態で産まれた場合、生存する可能性が低いので延命措置をとらないことに承諾のサインをしていました。

今日の日中に測ったエコー検査では、まだ赤ちゃんは500グラムに達していませんでした。


お腹がぎゅっと固くなるのにあわせて、どぼっと出血する。

そのたびに看護師さんたちが「わっ」と小さな声をあげ、少し後ずさり。

当直は女医さんでした。診察して

「かなり出血してます。このまま出血が続くと、まだお腹から出したくない週数だけど、母体のために出さざるを得ない・・・。ご主人に連絡は、まだかな。しておきます。」

と。

いやだ。

どうしよう。

そんなことを考えながら、生あくびが出て体がずんと重くなってくる。

女医さんは私の出血量を気にしていました。

輸血の話し。

血が少なくなったからなのか、お腹が張っても出血している感じがなくなってくる。

脱力してくる。

内診台で足を高く持ち上げたまま、輸血が始まりました。


不自然で無防備な態勢のまま、なすすべもなくされるがままでした。

頭と気持ちは、赤ちゃんを守りたくて恐怖と戦っていました。


看護師さんは、ずっと私の手を握ってくれていました。

「そばにいるからね」

って言ってくれました。

その手をぎゅっと握り返しました。

女医さんが私の足にタオルをかけてくれました。

緊迫した張りつめた状況の中で、知らず知らず全身に力をこめて祈っていました。


出血は落ち着いてきました。

尿の管を入れられ、そのまま何十分かした時に、女医さんの指示で、内診台から隣りのベットに移ることになりました。

女性の看護師さんたちばかり、必死で私を持ち上げて隣りのベットに移してくれます。

沢山の管が私の身体に取り付いていて、それにも注意しながらのひと騒動でした。

ベットで身じろぎもせず、また出血しないようにと祈りながら、身体中に緊張を這わせていました。


つづく


これまでの経緯はこちらに載せています。よかったら見て下さい。


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