神様から預かってる~NICUを訪問して~
娘が5歳になった先日、出産した大学病院のNICUへ、ご挨拶に行ってきました。
大学病院へは定期的に行っていましたが、その日、リハビリ科を受診すると、
「特に異常がないし、今日で一旦終わりにしてもいいと思います。」
とのこと。
ずっと通っていた小児科は、すでに3歳で卒業していたので、大学病院に通う予定はなくなりました。
コロナで取り合ってもらえないかもしれないけど、ここに来ることも早々ないだろうから、ご挨拶がてらNICUに行ってみよう。
NICUのある周産期母子医療センターは、増設された建物の中にあるのか、廊下をうねうね歩いた病院の端にあり、迷子になりそうな場所です。
でも身体は覚えていて、勝手に足が進みました。
5年前は、週に1、2回、入院中の娘に母乳を届けるために通っていました。
会いたくてたまらない気持ちに、孤独や悲しみがまとわりついて、ここを通る時はいつも、しんとした心持ちでした。
でもNICUの皆さんは、そんなふうに自責の念にかられている私に対して、いつもとても優しく労わるように接してくださって、何り娘を、我が子のように大切に大切にしてくださっていました。
だから帰り道は少し気持ちが前向きになっていて、心にろうそくを灯してもらったようでした。
久ぶりにNICUにつながる扉の横のインターフォンの前に立ち、少し緊張しました。
知ってるスタッフの方はいらっしゃるのかな。
思い切ってインターフォンを押して、簡単に用件を伝えると、「お待ちください」とのこと。
しばらくして、ナースの方がお一人出てこられました。
「入院の方が来られて、そっちにスタッフが行ってるのですいません」
と言いながら、
「大きくなってて、もう分からないな~」
明るい笑顔で、娘に駆け寄ってくれました。
お忙しいところを申し訳ないな、と思いましたが、そう思わせない余裕のような、落ち着いた物腰で、私たちに向き合ってくださいました。
私の記憶にはないスタッフの方でしたが、娘の担当だった方が産休でお休みされていることなど教えてくださいました。
そう、こうだったな。
当時が思い起こされました。
本当にお忙しいし、神経を使うお仕事だと思うけど、皆さんいつも明るくてはつらつとされていて、思いやり深い眼差しにあふれてたな。
この方たちに娘は育てていただいたな。
そう思います。
手を振ってお別れしたあと、やっぱり私の心はあたたかい気持ちになっていました。
そして娘が生まれてから時々思うことを、この時も思いました。
娘は私たちのところに生まれてきてくれたけど、私たちだけの娘ではない、神様から授かって、預けてもらっている命。
NICUの皆さんが育んてくださったように、大切大切に育てよう。
娘の出産について、こちらに書いています。
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