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アナログおじさんのデジ活日誌『デジタルマーケティングの教科書』

3年前、著者の牧田先生の講演会をきっかけに購入しました。
発行が2017年とちょっと古いですが、「教科書」と銘打っているだけあって、従来型のマーケティング基礎から、近未来の予測まで書かれていて、今でもたまに読み返したりしてます。

デジタルマーケティングの定義について、このように書かれています。

消費者に最適な購買行動を提供する一連の行動。
その目標は、消費者との関係性を深め、消費者の「代理人」になること。
つまり、何かを購入する場合、「あの人(企業)に頼もう!」と想起される存在になること、と定義されています。

デジタルを活用して、顧客の問題を解決する「代理人」になる。
非常にイメージしやすく、腹落ちしたのを憶えています。

当時はOMOなどの言葉はまだなかったので、「オムニチャネル」についてもその成功のカギを5つ掲げています。
①ユーザーIDの統合と顧客理解
②シームレスな購買体験の提供
③シームレスな物流網の整備
④決済情報の取得
⑤売上計上の工夫
これらを整備したうえで、どのチャネルでも、消費者に最適な購買体験を提供できればオムニチャネルは成功する。

これらは3年経った今でも、あまり変わってない印象です。
というより、いまだに解決できない企業が多いということでしょう。
日本のように、それなりに様々なシステムが(個別に)完成しており、かつボトムアップ型の命令系統の企業では、解決するのは至難の業といえます。
しかし、今回のコロナのような、外からの大きなゆさぶりがあると、大きく動きだす可能性も感じています。

また、個人的には「⑤売上計上の工夫」が肝だと考えています。
これらの課題解決の壁となっているのは、「部門ごとの個別最適」にあると思います。
自分が経験したプロジェクトでも、「総論賛成・各論反対」に陥る場面がよくありました。結局は、みんな自部門が損をしたくないのです。
そのためにも、「売上計上の工夫」をすることで、実は多くの課題が解決できるのではないかと思います。

また、著者はこのようにも書かれていました。
『部門間の衝突を解決するには、「根本目標」「哲学」を語り続け、メンバーに理解させ、腹落ちさせ、浸透させなければならない。
そのためには「未来を構想」できなければならない』。

「デジタルマーケティング」も、結局やるのは「人」。
見えない未来を想像力を使って描き、周りに地道に語り掛けていく。
そんな、アナログな行動が「デジタルマーケティング」には必要なんですね。

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