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インドは旅行じゃないよ。冒険だよ。2

オールドバザールの裏通りにある食堂で、僕らは本当に大勢の人に囲まれた。
いくら観光客ズレしていなくても、いくら僕が、前歯を外して大爆笑をとったとしても、ここまで集まる?! と言うぐらい集まった。

後でわかったことだけど、僕の奥さんは、その当時人気のあったダンサーにそっくりだったらしい。眉毛が太いから、インド人に見えるw
ホテルのボーイに求婚されるぐらい・・・。

記念に服を作ろうってことになって、シルクの友生地でブラウスとパンツを作ったら、もうインド人にしか見えなくてw
インド語で話しかけられて困ってたw

おまけに、その時、大流行してた映画がカンフーもので、僕の髪型や体格、輪郭なんかがジャッキーチェンに似てたものだから、余計に人が集まる始末。

どこに行っても、お前は俳優か? 映画スターなのか? カンフーはするのか? としつこく聞かれるので、邪魔くさくなって、ああ、そうだよ、って答えてたw 俺は日本ではメジャーなカンフースターだ! と言っておいたw サインをねだられ、今はプライベートだからと断ったw

そして次に来るのは、お決まりの「俺にカンフーを教えてくれ」って言うやつ・・・。
仕方ないので、何度か教えた。やったこともないけどww

しかし大問題が発生! なんと彼らは、グーが出来ない・・・。ゲンコツが作れないのだ。日常にゲンコツは必要ないみたい。
仕方ないので、グーから教える。しかし、無理やり指を曲げさせると、イテテテ・・・となる。

正拳突きを教えると、腕だけを伸ばして・・・女の子みたい。
そう言えば、男同士で喧嘩をしているのを見たことがある。
つかみ合い、顔をひねり合い、引っかき合い・・・子供かっ!

という訳で、僕たち日本人カップルは、どこに行っても注目を集め・・・良くもアリ、悪くもアリ・・・。


オールドデリーには公衆トイレがない。一個だけあるにはあるが、公衆衛生と言う概念がないインドでは・・・推して知るべし。

と言うことで、野ションが一般的。
が、二人がどこに行こうと大衆の目が必ず付いてくるので野ションは諦める。
ホテルやレストランに入るしかないのだ。

駅でちびっこギャングみたいな連中がトイレ税なるものをとっていた。
「とってみろ!」と僕が言うと、ちびっ子が何人か集まるが、こいつカンフーやってるぞ・・・とかいうひそひそ話が聞こえて、通してくれたりw

空港のトイレであってもちょっときついよ。
何しろ、他人が踏んだ跡は不浄だから、そこを避ける。すると次第にとんでもない方向へお尻が向く。で、そこで用を足す・・・あとは、押して知るべし・・・。

ある時、バスに乗って窓から外を見ていると、駅の出口付近にサリーを着た女性が集団でしゃがんでいた。
何をしているのだろう? と、じっと見ていたら、向こうもじっと見つめ返してきた。
それでもじっと見つめていると、恥ずかしそうに顔を背けた・・・・。
ごめん・・・用を足していたのね・・・・。
インドでは、しゃがんでいる女性をジロジロ見つめない事。

トイレも文化なんだねえ。
まあ、町中に💩が落ちている国だもんね。いちいち気にしない。

町を歩けば、💩の臭いが鼻を突く。
得体の知れない臭いまで。
そして次にお香の薫り。

聖と邪が入れ替わりに襲ってくる町。
牛と乞食とオレンジ色の袈裟を着た坊さんとバックパッカーが歩いている町。
素朴で人を騙す人たち。

オールドデリー、そこは、インドを凝縮したような混沌とした街。




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