武器スロットを実装した、ゲームデザインに対応した UI/UX デザインの難しさについて考える ローグライク(仮)
今週取り組んでいた武器スロットの仕様などがだいたい決まったので、実装をしてみた。
まだ途中だけど、足元の武器と交換する操作までが実装できているので、演出以外の実装は「拾わない選択」だけが未実装となる。
パーツはこんな感じになっている。
パワーを消費するタイプの武器はパワーゲージの表示も行うようにした。
拾わない選択の方法
昨日書いたとおり、今日は5つ目の武器を拾わない操作方法を考えた。
その前にそもそもの話として何故 QWER を武器に割り当てたかを説明しておこうと思う。これは最終決定ではない。単に League of Legends というゲームの操作方法を真似しただけである。
別に 1234 を使ってもよいと思っている。寧ろ WASD で方向入力することもできるように、QWER ではなく 1234 のほうが良いかもしれない。しかしこの話は一旦これは保留しておき、拾わない選択の件を先に解決しておきたい。
というのも拾わない場合はちょっと厄介な問題を孕んでいるからだ。武器交換モードは QWER のどれかを選んで拾う、もしくは拾わない、という選択をプレイヤーに与えることになる。一時中断などゲームの世界から離れた機能を除き、交換モードでは拾うか拾わないか以外の操作や機能は停止する。選択しなければゲームが進行しない状態になっているということだ。初めて遊ぶプレイヤーにとって、これは急に操作が難しくさせてしまう要因となってしまう。
今までは何となく方向キーを入力すれば遊べるように設計していたが、武器を複数所持できるように仕様変更したことでゲームの操作体系が複雑化してしまった。特にそれが交換モードに遷移した瞬間が最も特別な状態となる。このゲームの操作方法の学習中のプレイヤーは武器の使い方がわからなくても移動方法さえ知っていれば、とりあえずは遊ぶことができる。そのうち武器の使い方を知ってもらえればそれでよい。しかし5つ目の武器を拾おうとした瞬間、移動ができなくなり特殊な操作を要求されてしまい、プレイが継続できなくなる恐れがある。
長くなったが、これをどのように対応すればよいか、というのが問題である。
では1つ目の案、移動と同じく方向キーやその他の適当なキーを入力することで拾わない選択(キャンセル)ができるようにする。これはとてもわかり易い解決案だと思っている。とにかく方向キーさえ押していれば遊べなくなることはない。操作できなくなったら何かしらのキーを押せば再開できる。ただし課題点もある。今の所思い浮かぶものは誤入力のし易さと、交換モードの存在に気づかなくなる可能性だ。「とりあえず方向キーを押せば遊べる」ということを保とうとすると「操作方法を学習する」ということが難しくなるのだ。
では2つ目の案、操作方法を文字、アイコンなどで明確に説明する。これは一般的なゲームでよくある解決策である。武器を選択する QWER キーも説明しなければ偶然発見するしかないので、ヒントとして武器スロットに QWER という文字を既に表示している。交換モードでも同じく QWER を押すようにボタンのような UI に押してほしそうなアニメーションをつけている。
ここでは、学習中のプレイヤーは QWER を入力すれば何かが起こるということに気付いていると仮定する。しかしまだ学習中のプレイヤーはまだ武器スロットがどういう役割を持っているか分からない可能性が高く、武器を使って攻撃する方法もチュートリアルで体験するだけだと不十分だと考えている。ただ QWER を入力し拾うことでモードを抜け出すことができるので「プレイが継続できなくなる」問題は解決する。なので、このような UI を「拾わない選択」用にも用意することで拾わないこともできるようになる。プレイが継続できるので次第に学習が進み QWER はアイテムを使用するキー操作なのだと気づき、武器交換の概念も理解し、交換したくない場合の操作も提供されていると知る、というシナリオが考えられる。しかしこれはアイコンやアニメーションなど視覚 UI のデザインが十分に説明できていると仮定した場合のこと。そのため、2つ目の案をより正確に説明すると「このゲームの初心者が自然にゲームの楽しみ方、機能を理解できるようなユーザーインターフェイスを提供すること」という規模の大きな案となる。
ゲームデザインに対応した UI/UX デザインの難しさ
1つ目の案は小さな問題に対して小さな解決策を施す場当たり対処のような案である。2つ目は小さな問題から大きな解決策を考え、その他の問題と同時に解決する方法である。できれば2つ目の案を採用したいと思っているが、まだ何も思いつかない。武器を複数所持できるような仕様変更が出てからまだ1週間程度しか経っていない。このゲームを開発しはじめたときに考えていたような簡単な操作、簡単なゲームデザインから遠のいたことで、思っていた以上の複雑化が発生している。現在のゲームデザインから UI/UX を具体的なところに落とし込む作業は実はまだ全然進んでいないのだと気付いた。もちろん UI/UX デザインを考えた結果ゲームデザインに修正をすることも必要になるかもしれない。ゲームデザインは UI/UX デザインを内包した概念だとも言える。もっと柔軟に考えなければならないかもしれない。武器交換モードなんていうものを辞めてしまうことだって選択肢の一つだ。
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