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27 餡入りのかりんとうはあるか? 象の頭を持つガネーシュ神が、ヒマラヤから降りてくるぞ。

数日前からお寺の聖なる炉であるドゥナーの脇に、ガネーシュ神の像が飾られてライトアップされている。

(日本ではガネーシャと呼ばれるのが普通だが、北インドでは最後の母音である「あ」の音が落ちてガネーシュと呼ばれるのが普通なので、ここではガネーシュと書かせていただく。ちなみにネパールにある山の名は、日本語でもガネーシュ・ヒマールかガネッシュ・ヒマルと呼ばれている)

日本には馬頭観音というものがあるが、成功をもたらす神として人気の高いインドの神ガネーシュは、象の頭を持っている。

そして、この神さまがなぜ象の頭を持っているかを説き明かす説話が、なかなか乱暴なものでおもしろい。

あるときシヴァ神の妃(きさき)パルワティが一人でヒマラヤの家にいるとき、水を浴びようと思い、見張りとして土くれから子どもを作って、番をするように頼んだ。これが人間の頭を持つ元々のガネーシュである。

帰ってきたシヴァが自分のうちに入ろうとすると、この子どものガネーシュが「自分の母が水浴び中だから家の中には入れられない」と言って、シヴァが中に入るのを拒んだ。

シヴァは怒ってガネーシュの首をはねてしまう。

これを知った妻のパルワティは悲嘆にくれ、シヴァもガネーシュが自分の子どもだったことが分かって大いに悲しむ。

そこでパルワティはシヴァに「ヒマラヤを降りて、最初に会った獣の首を切って取り、その首をガネーシュにつけてくれ」と頼む。

シヴァがヒマラヤを降りるとまず象に出会ったので、ガネーシュは象の頭を持つことになり、限りない叡智を持つ神となった、というお話。

インドのお祭りは太陰暦に従っているので、毎年それが太陽暦でいつになるかはずれていくのだが、今年のガネーシュ・チャトゥルティというお祭りは、9月10日から10日間祝われる。

毎年この10日間は、いつもはヒマラヤのカイラス山にいるガネーシュがインドの平地に降りてきて、人々に福をもたらしてくれると信じられている。

そして人々は、ガネーシュの好物であるモダクというお菓子をお供えとして献ずる。

モダクは小麦粉か米粉で作った生地の中にココナツとキビ砂糖の餡を入れたもので、蒸したものと揚げたものがある。

インドのヒンズー教の神々は、仏教に取り入れられているために日本にも伝わっており、ガネーシュは歓喜天という名になり、聖天さまとして親しまれている。

そしてこの歓喜天に捧げるお菓子として清浄歓喜団というものが奈良時代に中国経由で日本に伝わり、京都の和菓子屋・亀屋清永が唯一これを作っているのだそうだ。

清浄歓喜団の外側の生地は米粉と小麦粉を合わせたものを揚げてあり、かりんとう風。中の餡はこし餡だが、白檀、桂皮、竜脳など7種の香料が使われているため、好き嫌いが分かれるようだ。

ちなみにぼくは聖天さまという存在を大人になってインドに関心を持つまで知らなかった。

関東でも、東京の平井・浅草、埼玉の熊谷のものが三聖天と呼ばれているようだが、ほとんどの人は知らないのではないだろうか。

京都では多分有名、大阪など他の関西圏や西日本ではどうなのか、ご存知の方
お知らせいただければありがたいです。

ちなみに江戸川区の平井は一時期職場があった場所なので馴染みがあり、平井聖天の名もはっきり知っているのだが、当時はそちら方面にあまり関心がなかったもので今回ネットで調べてその名を見るまで、まったく関連に気づいていなかった。

今度、旧職場の精神作業所を訪れるときは、お参りをしたいと思う。

というわけで、今日の記事はほとんどネットの受け売りでした。

それではみなさん、ナマステジーっ♬


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