2018年3月の記事一覧
飯田蛇笏の「歩く」、龍太の「歩く」―「歩行」の俳句史(3)―
飯田蛇笏には五冊の随筆集があるが、主に三十代から四十代にかけての作品を収めた『穢土寂光』(野田書房、昭和一一)はその第一冊目にあたる。比較的初期の随筆を収めた本書には、歩くさまを記述した箇所がしばしば現れる。
草鞋の軽い足どりに蹴返さるる落葉の音が四辺の静かさを破ってひっきりなしに続いてゆく。朝露が裾一尺ばかりを湿して草鞋はだんだん重たくなってくる。(「茸をたずねる」)
たまたま時季おく
飯田蛇笏には五冊の随筆集があるが、主に三十代から四十代にかけての作品を収めた『穢土寂光』(野田書房、昭和一一)はその第一冊目にあたる。比較的初期の随筆を収めた本書には、歩くさまを記述した箇所がしばしば現れる。
草鞋の軽い足どりに蹴返さるる落葉の音が四辺の静かさを破ってひっきりなしに続いてゆく。朝露が裾一尺ばかりを湿して草鞋はだんだん重たくなってくる。(「茸をたずねる」)
たまたま時季おく