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3.3(14/89日目) マラガ

朝10時起床。
ホテルをチェックアウトしてバスターミナルへ向かった。

窓口でチケットを買おうとしたが、自分の発音が悪いせいかいっこうに駅員に行き先が伝わらない。スペイン語は後から2番目の母音にアクセントを持ってくればだいたい伝わると本で読んだが地名に関してはそのルールは当てはまらないのかも...。

マドリッドでは自分のなんちゃってスペイン語もなんとなく通じていたような気がしたが、グラナダでは通じにくくなっている...。方言とかあるのだろうか。

構内のカフェでサンドイッチを注文し一旦仕切り直し。食べていると目の前を「マドリッド行き」、「バルセロナ行き」、「セビリア行き」などグラナダ発着の長距離バスが何台も目の前を通過していった。

カフェの目の前にマラガ行きのバスが停車したのを見ていたらなんとなくマラガに寄ってみたくなり、急遽目的地をマラガに変更しすぐにチケットを買い乗車。マラガの発音は大丈夫だったらしい。
バスは時間通りに出発し、マドリッドからグラナダに移動した時ほどではないが、広い荒野を抜け1時間40分程でマラガに到着。街中を通り抜けてセントロにあるバスターミナルに着いたが街並みを見るかぎり雰囲気はグラナダとよく似ているように見えた。

ターミナルからしばらくマラガの街を眺めていたら大体満足してしまい、、、

マラガ観光終了...。

そのままバスターミナルを出ることなくエスヒポナ行きのバスを探した。しかしターミナルに大きく貼り出されている路線図掲示板でエスヒポナを探すが見つからず。

マラガのすぐ近くに「エステポナ」という小さな街はあるが...、

「あ、エステポナ...?」

思わず声に出してしまった。

デニムさんがいい間違えていたのか、自分が記憶違いしていたのかは今となっては分からないが、間違えて覚えていたようだった。どおりで駅員の人にも伝わらないわけである。

するとターミナルで地図を広げていた日本人らしき人が目に入ったので「地球の歩き方」を拝見させてもらおうと話しかけてみた。

その彼は、小綺麗な襟付きシャツとハーフパンツに汚れていないスニーカーというデニムさんとは真逆のいでたちで、挨拶を済ますや否や

「僕はね、今まで東南アジアやインドを旅行したことがあるんだよ。今は卒業旅行でスペインを回っているのさ。今日はこれからマラガを観光して、明日はもっと西の方に行く予定だよ。」

と、その後も自分がいかに旅行中のピンチを乗り越えて来たのかなど、自慢げに旅行話を喋り続けた。そのわりに一人旅は今回が初めてらしい。

謎である。

よく分からないがとにかく「おぼっちゃまくんバックパッカー」という言葉がしっくりくる雰囲気の青年である。蝶ネクタイを付けたら茶魔語を話し出しそうであった。

話していたら面白くなり、ここで出会ったのも何かの縁ということになりマラガ観光に便乗させていたもらうことになった。

エステポナは明日でもいいだろう。逃げはしないし。

2人で街のCentroまで15分程歩き、まずは宿探し。しかし、お互いが気に入る宿になかなか出会えず数軒回った後、ぼっちゃまくんが

「ここは?どうかなー?」 

と言い、とあるホテルを指差しトライしてみようと言い出した。エスカレーターで2階に行きオープンテラス的な受付があるという造り。
これまでの自分の安宿探しには「エスカレータ」というワードは一度も出て来ていないのでココだけの話、「オイオイ…。」と心のなかで思ってしまった。

価格重視で自分が主導で宿を探していたため、どうやらぼっちゃまくんはお気に召していなかったようだ。

ここは高いとすぐに察しがついたが、とりあえず部屋の値段だけ聞くつもりで受付へ。

ところが、ダブルの部屋で3,800Pts。割り勘で泊まれば1,900Pts。テレビも着いているしバス、トイレもキレイ。価格も十分許容範囲内である(ベストは1,300Ps位だが)。

一つ星の「PENCION CA……?(忘れた)」に決めふたりでチェックイン。荷物を置いて早速観光スタート。

坂道を登ったところにある、難攻不落の城塞と呼ばれたというヒブラルファロ城に向かう。

汗だくで坂道を登り30分程かけて到着。なぜか入場料無料で入ることが出来、エントランスを抜けると迫力ある城壁が視界一杯に広がり、ジブリ作品の中に入り込んだかのような錯覚を覚えた。
高台からはマラガの町並みと地中海が一望することが出来た。
グラナダのアルハンブラからの景色も良かったが、こちらの景色も負けていなかった。 

「マラガ、1泊じゃ足りないかもなー。」 

マラガからすぐにエステポナに向かわなくてよかった。

夜はどこかに食べに行きたいと言い出すと思っていたが、意外にもテイクアウトしてホテルで済ませることになり、カフェでボガディージョを買って帰り、部屋でフットボールの試合を観戦しながら食べた。

ボガディージョはマドリードのフットボール観戦で食べたのと同じ、バゲットにハムやサラミ、チーズを挟んだサンドイッチである。

確実に口の中を切るくらいバゲットがクソ硬いが、噛み応えがあってすごくおいしい。

バゲットでケガをしない方法があれば毎日でも食べたいくらいである。

ぼっちゃまクンはフットボールにはまったく興味がないらしく、足をバタバタさせながらベッドに横たわりモロッコの地球の歩き方を読んでいた。

同じ部屋にいながら全く違う事をして夜を過ごすという中学生くらいの兄弟のような時間を過ごし、お互いに0時には寝落ちしていた。

本日の出費

朝食 300Pts
昼食 500Pts
夕食 1,400Pts
バス 1,200Pts
宿代 1,800Pts

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