Comfortable zoneから出てスタートアップ転職!と思った時に考えること

こんばんは、お疲れ様です。
私は10年間コンサルティングファームに勤めた後、思い立って2019年にSaasスタートアップに転職しました。後悔が無いどころかそのキャリアには大変満足しているのですが、事前に考えていたからこそ良い時間を過ごせたなと思うことがあります。
その転職の時に考えたことを友人に共有したらお役に立てたようだったので、備忘録がてらNoteに残してみたいと思います。


はじめに

少し上段に構えるような入りになってしまいましたが、そんなに大層な話ではありません。
もともと僕が転職したくなったのは、当時の仕事が変化に乏しくつまらなくなったし、スタートアップの方が成長・出世とか自己実現を果たせるんじゃないかっていう浅い思いからでした。他の理由は”こじつけ”です。
ただ、そうは言ってもだいぶ恐怖感がありました。せっかくリスクを冒すのに、失敗したらどうなるんだろう。給与下がるし、スタッフのままになっちゃうとか。それで今より忙しくて、さらに会社潰れたらカッコ悪いっていうか露頭に迷うし。それなら今のままがいいのか??
欲がある割に怖くて動けない典型例みたいな、情けない状態でした。それでも動けたのには友人からの働きかけのようなきっかけもあったのですが、転職活動中の頭の整理の仕方も一助となったと思いますので、その整理の仕方を皆さんには共有できればと思います。

スタートアップ転職が目についた時に考えること

私がスタートアップに転職しようかな?と思った時に、こんなストーリーで頭の中を整理していきました。

  1. スタートアップで何したい?

  2. スタートアップに求めることは、本当に得られるもの?

  3. スタートアップで働いたあとのキャリアでは、どんなことしてると思う?
    それにはどんなパターンが考えられる?

  4. スタートアップライフで最低のシナリオはどんなもの?
    最低のシナリオのダメージを低くするにはどうしたらよい?

  5. 今のままの職場で過ごすのも含め、どれが良い時間の過ごし方?

以下、私のケースに当てはめたり、友人知人と議論する中でポイントと思われることなどをご説明していきたいと思います。

スタートアップで何したい?

これはよく就職関連で本が出ている分野なので、特に長くは話さないでおこうと思います。
私の場合、大企業相手のコンサルティングをする中で、企業の小さなステージから上場するようなステージまで、幅広く「見てみたかった」ですし、実際に事業を運営して「自分もやった」と言いたかったんです。あと、何か自分でイノベートしてみたかった。
ついでに加えると、マネージャー層になるまで時間がかかりすぎていたので、少人数のチームでも良いから管理職もやってみたかった。
こんなにぼんやり曖昧な状況でした。
ただ、何かこだわる部分は作った方が良いです。薦める方も困ってしまうので。私の場合は「サービス業」「ソフトウェア」の2点は動かさない条件にしました。これはもはや好き嫌い、こだわりのポイントなので、決めというの問題です。こだわりがなかったら、これまで意識せずともリサーチしていたり、自然と労力かけられるような分野が良いです。意識せずできることは得意なことです。決めちゃいましょう。

スタートアップに求めることは、本当に得られるもの?

ここは結構難しいところです。実際の仕事としてあるか無いかというのは、その時のスタートアップのトレンドにも依ってしまうので、聞いてみないとわかりません。ただ、自分である程度考えられることはできます。

  • どんな仕事をしたら、やりたいこと・欲しいものが実現するの?

  • その仕事は、今のスタートアップで見たらどの業界のどの業務・どの職種に当たるの?

  • その職種で業務に就いていったら、どういう経歴になるの?

  • それで名実ともに満足したと言えそうなの?

  • 何があったら、あるいはいつがやめ時だと思う?

僕の場合には自分の提供できる価値の範囲で活躍し、その領域で管理職になるぞ!管理業務やってみたいぞ!数値的にも企業に貢献したるぞ!くらいのものだったので、とてもシンプルでした。
プロジェクトマネジメントをするエンタープライズ対応のセールス・CSで、そこで担当部長にでもなって売り上げ数千万〜数億をあげることで満足できると思いました。逆に、数字もあがらず、プロマネの価値が認められない状態はやめ時だと考えると思いました。要は、構われてたらOKみたいな笑。今から考えたら情けないブロック条件だったのですが、正直なところそうですし、少なくとも入社し、1年半くらい走るのにはそれで十分でした。
ここでのポイントは、転職する人が必要以上に大きく望みすぎることがあるってことです。
例えば、「僕はイノベートしたい。レッツ事業の0→1だ!」という気持ちが僕にはありました。しかし、実際入社してみたら、PdMとして企画部分だけ関与する中で、新しい機能をリリースし、新しいプロダクトを生み出していったら、当初「事業を0から!」と思っていた気持ちはどこかに行き、ただ非常に満足していたということがありました。「生み出す」がポイントであり、そこでの裁量が発揮できれば良かったようです。自分の満足のラインを高すぎで設定するのは余計なことでもあるので、ここは注意点だと思います。

スタートアップで働いたあとのキャリアでは、どんなことしてると思う?それにはどんなパターンが考えられる?

このステップが大切だと思います。例えば素晴らしいスタートアップに行ったとして、10年働くか?多分Noです。僕は10年間に2回転職してますし笑。そしたら自然と次のキャリアがあります。え、じゃあ次何するの?元の会社に戻ってくるの?そのシナリオくだらなくない?
そう、この「どんな人生のシナリオを歩んでいくの?」は、とても大切なキャリアの伴走者であり、支援者になるんです。
じゃあどんなことをするでしょうか。例えば、エンタープライズプロジェクトのマネージャーで統括したとしましょう。

  • Saasで統括したら、その次はもっと高い職位目指すのかな?じゃあ執行役員、担当取締役なるまで頑張る!

  • いや、プロマネしながら起業についてスキル身につけて事業を起こしにいく!

  • いやーでも、パッとしなかったらコンサル戻ってくるかも。。。

そう、全部ありえるんです。だから、全部考えにいきました。僕の場合は上記のも含めて10パターンくらい。そのうち「これいいなあ」と思うのが3つくらいありました。キラキラしたキャリアシナリオ。あ、やっぱりスタートアップ行って、こういう成功の仕方したら良い人生になるじゃない!って思えたのはとても良かったです。
ただ、各シナリオで次に行くためには、スタートアップではそれぞれのシナリオに適したスキルを身につけなければいけません。そんな仕事を本当に得られるかは、実際は行ってみてからしかわかりません。なので、あくまで入る前の整理として、です。
そして、スタートアップライフは成功することばかりでは無いです。当然想定の中でもそうします。なので、次の質問をします。

スタートアップライフで最低のシナリオはどんなもの?

もうこれは非常に極端なことを考えました。スタートから最低にしてみるというね。
「まずコンサルで喧嘩別れで辞める→移ったスタートアップで失敗して成果が全く残らない。時間だけ浪費✖️数社→就職先に困り、浪人のようにコンサル業を探す→就職できず、心機一転何か始める」

本当にひどい笑。でも実際にあり得るから、こうなった時になんとか人生が回るかどうか考えてみますし、ダメージを小さくするように決めてみます。例えば、スタートアップで1社目で失敗し、2社目に行ったとき、3社目には行かずに、あるいは4〜5年のうちに成功できなかったらコンサルに戻ることを決めていました。浪人を避け、コンサルライフを充実させて、最悪のシナリオでも、少しでも満足するためには条件を決めねばと思っていました。そしてコンサルに戻ったらこういうスタンスで成功しようかな、とか。
要は、行く前から撤退条件を決めて、撤退後の人生を考えているという。
もちろん、本質的には、そうならないように就職先でのサバイバル術を考える必要があるのですが、それはまた別の話。ライフシナリオを設定し、シナリオの最悪でも人生が成り立つようにする。そうすることで、出たとこ勝負で死ぬことがないようにする。思い切っても良いことを認識する。ここが自分を大切にする上で必要なことだと考えていました。

今のままの職場で過ごすのも含め、どれが良い時間の、人生の過ごし方?

そして最後はこの問いになります。ここまでくると比較軸に価値観が入るので、結論は人それぞれです。僕の場合には簡単で、スタートアップシナリオの最悪と、現状を比較した時に、一つの価値観に照らしました。
結論は、お察しの通り起業やスタートアップライフの中でチャレンジするという世界を見にいくという方になるのですが、僕の決定のポイントは好奇心です。
僕は好奇心が強いようで、経営に関わって行こうと考えたのに、そのうち一部だけ見知って、実際に起業やスタートアップという言葉に関わる世界を見ずに死ぬのは嫌だったんです。スタートアップを選択して最悪になったら、コンサルに残った時に比べて給与数百万円とか、シニアマネージャーになるのが5年遅れるとか、どれも知らないことに比べたらOKでした。金勘定ができないくらいに好奇心が優ってしまったようです。
ここは人それぞれだと思います。厳密に、環境・給与・評価・事業の将来性・・などなど複数の軸で比較して、今のままの職場で過ごすのも含め、どれが良い時間の過ごし方?それより良いシナリオが実現しなければ残る!となることもあると思います。そしたらそれでいいと思います。良いシナリオが実現するための条件を強気に提示して、それでも求められるようなスタートアップ、そんな環境をシビアに選択して、そうでなかったら損をするしやめよう、というね。今の環境がどれだけ良いのかわかったわけで、その中で楽しもうという方にシフトチェンジしましょう。

長々と書いてしまいましたが、転職ってやればすぐにできます。でも、自分が適切な過程を経て思い切っているのかは、数年後に効いてくると思いますし、逆にこういった適切なアプローチを取っていたらとても人生エンジョイできると思います。
実際のスタートアップライフはもちろん問題もあるので、その対応を考えながらいくのは大企業と同じなわけですが、少なくとも行くも行かぬも後悔しないように決めたいですよね。皆さんの参考になれば幸いです。

何かあればお気軽にご相談くださいね。

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