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自分の未来予想図がいつ実現するかは、いつも気になっています。
そのために、テクノロジーに関するニュースメディアは頻繁にチェックするようにしています。
言いっぱなしは誰でもできるのですが、それをトラックして、外れたなら何が予測と違っていたのか、そういう評価もしないとですね。

しかし、ブログであったり、SNSであったり、色んなメディアに思いつくままに吐き出してしまうのが悪く、自分の未来予想がどこにソースとして残っているかがわからない状況に陥ることも多いです。

Spotifyが、今聴いている曲を、誰かと、リアルタイムに一緒に聴けるグループ機能をリリースしました。

これ、多分、昨年予想していた気がします。
こんなサービス、事業化してもいいくらいニーズがあるよって、お風呂で熱く語っていたので、妻は覚えているはずです。笑

ちょうど今読んでいる『ハリウッド式映画制作の流儀 最後のコラボレーター=観客に届くまで』で、スティーブン・キングの言葉で「すべての歌はすでに歌い尽くされている」というものがありました。

キングがその言葉を発した前後の文脈は知りませんが、世の中には、もう音楽は出尽くしていると僕は感じています。

今は、それらの音楽が波紋として鑑賞しあって、少しずつ違ったテイストを、その時代の技術で表現されているだけ。

そうなると、一人で音楽を聴くと、ただ自分の好きな音楽に没頭するだけなんですね。

プレイリストやラジオで偶発的な出会いはありますが、ほとんどは、何かしら統計的なデータとしてまとめられているもので、感覚的に自分好みとは限らないんです。

なぜかと言うと、先の通り、少しずつ違ったテイストを、その時代の技術で表現しているから、今の世代のパンクと、僕の世代とパンクと、70年代のパンクとは、音も、歌も、意味合いも変わっています。

僕の思うパンクを、誰かに聴かせたとき、同世代でもハマらない人もいるでしょう。でも、同じ感性を持っている人がいれば、その人には、僕が今流す音楽こそが、最高のプレイリストになるんですね。バイブス。

(ちなみに僕は、パンクはジャンルではなく、表現だと思っています)

CDJのように、誰かがセンスの赴くまま流れる音楽を聴き合うのもいいですし、お互いに今この瞬間をトキメカせるためにコラボレートするものいいでしょう。

ウォークマンが登場し、ヘッドホンが発達し、ノイズキャンセリングなんてできて、音楽はゾーンに入ってしまうプライベートなものになりつつありますが、コロナでフェスやライブに行けなくなって尚の事、音楽にはパワーがあって、皆で聴くから楽しいものって、再確認をしています。

そんな流れが、まさにこのSpotifyのサービスを実現したのかもしれませんね。

このグループ機能、どんな機能が詰まっているかはまだ未知ですが、Read Onlyならぬ、Listten Onlyなんて権限があれば、特定の人たちによるリアルタイムDJもできそうですね。

一方、誰でも参加可能にすれば、お店のBGMを来客によって決めることもできるでしょう。ジュークボックスの未来版ですね。

飛躍せず手近なシーンとしては、リモート呑みでの活用でしょうか。BGMを流しながら呑みたいけど、スピーカー越しでは聴くことは困難。しかしこの機能を使えば、みんなで好きな音楽を聴きながら、飲めますね。

サブスクリプションサービスの進む先は、レコメンドよりコラボレートだと僕は思っています。この流れはきっと、動画サービスにも訪れるでしょう。

これからの時代は、同じ時間に、同じコンテンツを共有し、感覚をシェアして、コラボレートして、シンクロする、そういうサービスがきっと、続々出てくることでしょう。そうなれば、共感は物理的にしか生じないなんて、概念は古いものになりますよ、きっと。


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