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#アップダイク

アップダイク 詩抄 (3) Translated by Toshiya Kawamitsu

アップダイク 詩抄 (3) Translated by Toshiya Kawamitsu

  骨の山

わたしのおじさん 半袖で
となりの牧場 南 西
鳥 牛 豚を さばくのは
食べていくため あの丘は
花と 骨 骨 おおわれて

雨に洗われ いとおしい
白の太陽 色彩は
みどり 群青 黄色 茶色
しずかにしてはいられない
リングは かちり と 音もせず

囚人たちの肋骨は
複雑怪奇 旋盤の
刃 がたがた 越えていく
螺旋 まきこむ ドアのノブ
棒と とめがね 月と 月
空想上の生物に

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アップダイク 詩抄 (2) Translated by Toshiya Kawamitsu

アップダイク 詩抄 (2) Translated by Toshiya Kawamitsu

  雲の影

  1

白のココナッツ 太陽は
青の葉っぱに かくれてる
海賊たちのガレー船

寄せてはかえす 波は 空
大海原へ 背を 押され
それでも 礼儀ただしくて

  2

宝石に住む わたしたち
綿で きれいに みがかれて
車輪 くる くる 落ちていく

補完計画 落ちていく
すみれ色 秋 その柱
影に つりあうほど 軽く

茶色 青 灰 発生し
シマリス色の 地球の毛

  3

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アップダイク 詩抄 (1) Translated by Toshiya Kawamitsu

アップダイク 詩抄 (1) Translated by Toshiya Kawamitsu

  電線 たれて
  電柱 ゆがむ
  ぽっきり 折れる

若い男に おじいさん
「平野に この線 かけてくれ
 はるか かなたに とどくまで」

かしこい ぼくらは 知っている
事実の点から あきらかだ
まばゆい カラスは 飛翔する
誰もが 見たこと ない 景色
電柱に とまり かあ かあ と

Why the Telephone Wires
Dip and the Poles Are
Crac

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