『ややこしい本を読む技術』を読んで

人生において、1冊や2冊、いやもっと。
読んだ方がいい、読まなければならないと思うけれど、読むのに難儀して挫折してしまった本ってありませんか。
なんとか読もうとページを開くのだけれど、目が滑って内容が頭に入ってこない、そんな経験をしたのは、きっと私だけではないでしょう。
私は、潜在的にそんな悩みをずっと抱えていました。
だから、『ややこしい本を読む技術』を本屋で見かけたとき、つい手が伸びて買ってしまったのです。

『ややこしい本を読む技術』は、その題名が内容を表しています。
つまり、ややこしい本を読む方法を知ることができる本です。

「ややこしい本」とは何か?たぶん、読まなければと分かっているけど、何か読みにくくて、しばし積読(つんどく)状態になっているような本でしょう。

『ややこしい本を読む技術』

私は、読書が好きな方だと思います。
漫画を多分に含みますが、今年Kindleの読書数は200冊を超えます。
本を読む行為は苦手ではない、と思います。
でも、何でもすいすい読めるわけではありません。
手に取ったものの、はじめにを読んで、途中で詰まってしまう本もあります。
そして、そういった本ほど読んだ方がいいのになぁ、って自分でも思っているんですよね。
まさしく「ややこしい本」です。

だから、「ややこしい本を読む技術」を買って、読み終わったわけですが、この本を読んですぐにどんな本でもすらすら読めるというわけではありません。
そんな特効薬的なものではないからです。
ただ、本を読むとはどういうことか、特に、「ややこしい本」を読むとはどういうことかを教えてくれます。
読んだ後だからこそ申し上げるなら、読むというハードルを下げつつ、読むことで得られるものを大きくするためのヒントがたくさん書かれた本でした。

そもそも、読書はできるだけ速く終わらせる競走ではありません。せっかく「ややこしい本」を読むのなら、なるべく良い本、身になる本に出会いたいものです。何度でも読み返し、その一部分を暗記し、それと対話することで、自分の考えをシェイプアップし、これからの生き方や社会を考える。そういう本との出会いこそ読書の醍醐味でしょう。

『ややこしい本を読む技術』

本との対話、これは魅力的なアイデアだと思います。
この本では、題名に「技術」とあるだけあって、どのように読めばいいか、何に注目すれば内容を理解しやすいのか、そういう具体的な方法も書かれています。
しかし、私にとっては、本を読むとは本と対話することなのだという心得が非常に腑に落ちた点であります。
焦らなくてもいいんだな、と思ったのです。
じっくりやろう。腰を据えて、向き合えばいいんだ。でも、合わないこともある。そのときは、とりあえず離れてもいい。
そんな風に、気楽でありながら、覚悟が決まったような、そんな気持ちになりました。
こういった心構え的な話は、本の中でも前半に出てきます。
もし、興味があればぜひ読んでみてください。

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