マガジンのカバー画像

自作短篇

20
自作小説の短編をまとめています。400字詰原稿用紙で30枚から50枚くらいです。
運営しているクリエイター

#オリジナル小説

【短編小説】コはコウノトリのコ

  脳がチップ化されて以来、鳥が増えた。  死にかけた年寄りたちがこぞって自分の脳をチッ…

平松誠治
2か月前
3

【短編小説】メディアコンバーター

 局長のブリーフィングを嗅ぎながら俺は眠気を催していた。つまり退屈していた。俺のキャリア…

平松誠治
11か月前
9

【短編小説】死神と取引するために必要ないくつかの準備について

 野球やサッカーを楽しいと思ったことは一度もない。  いや、私はむしろ子供の頃からこのよ…

平松誠治
1年前
12

【短編小説】真実は拳に宿る

 ソビエトという国がなかったことはもはや定説となった。今から数百年前、ユーラシア大陸の大…

平松誠治
2年前
9

【短編小説】荒磯博士と機械婦たち

 今さら言っても仕方のないことだけど、荒磯博士の仕事なんて手伝うべきじゃなかったんだ! …

平松誠治
3年前
23

【短編小説】青葉の叔父さん

 青葉の叔父さんは三十九歳だが、独身だった。オートバイを三台、ギターを十二本持っていた。…

平松誠治
3年前
14

【短編小説】キスマークの男

 起き抜けにつんと鼻に入ってきた煙草の匂いがガラムの甘い香りだったので、ミキはぼんやりした頭の片隅で、あ、またアミが部屋に入ってきているな、と思った。枕許に置いてある目覚し時計を掴み顔の前に持ってくる。八時四十分。指先でまぶたを擦りつつあくびをし、首だけ起きあがらせて足許を見ると、思った通り、部屋の入口にアミが胡座をかいて座っていた。 「や、おはよう」と彼女は片手を上げて言った。 「おっはー」ミキも答えた。  薄暗い部屋にカーテンの隙間から指し込む細い光が伸び、アミが吐き出す

プロレス・スーパーヒーロー列伝 心優しき大巨人、ジャン=リュック・ジャイアント編…

 2004年、アメリカのメジャープロレス団体であるWHOが行ったインターネット投票「20世紀で…

平松誠治
3年前
12

プロレス・スーパーヒーロー列伝   デューク・ケウェセキ編 【短編小説】

 のちにデューク・ケウェセキ(川崎)として知られるワン・タオソンが生まれたのは1916年4月…

平松誠治
3年前
10