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長続きしているケータイゲーム(Gwent、メギド72、ドクターマリオワールド)

人生において、ケータイでぽちぽちゲームする以外何もしたくない日というのは必ずある。結構ある。
だるい・オブ・ザ・イヤーは年に数回ある。仕事はもってのほかで、PCはおろかSwitchすら点けたくない日はある。
まあ、そんなあってもなくてもいいような日でも、ちゃんと脳ミソのシワを伸ばしてくれたり、あまつさえ感動させてくれたりする傑作ケータイゲームを三本紹介する。

グウェント ウィッチャーカードゲーム

オープンワールドRPG「ウィッチャー3」や、それの原作小説などのあらゆるウィッチャーのフランチャイズを基にしたデジタルカードゲーム。
もちろん「ウィッチャー3」を遊んでいたほうが愛着は沸くけれど、一切知らなくても問題ない。ちなみにラッパーのJJJも遊んでいるらしい。

グウェントはかなり独特なゲームシステムを持っている。たとえば、他のカードゲームと違って、マナの概念がない。いつでも強いカードが出せる。加えて、デッキも25枚と少ない。ドロー運で負けたというしょうもない敗北はほとんどない。必要なのは戦略である。

まず3ラウンド制である。プレイヤーは10枚の手札を配られ、一枚ずつ場に出していく。そしてライナー・クニツィアのゲームのように、盤面に並べられた兵士やモンスターたちの戦力の合計値により、ラウンドの勝敗が決まる。非常にシンプルである。

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(自陣が戦力11、敵陣が戦力7。家の上に乗っかってる馬のローチが可愛い)

もちろんただのメンコではない。グウェントでは「パス」の概念が非常に重要である。「このまま出し合っても負けるな……」とか「これだけ並べたら何もしなくても勝てるかもな」と思ったら、パスをするのである。
ラウンド2とラウンド3では3枚ずつデッキからドローする。つまり、ここで大事なのは「手札差」になってくるわけだ。ラウンド1か2に無理矢理勝ちに行ってしまった場合、最終ラウンドで相手のほうが手札が多いという状態になってしまうのである。

相手はこのラウンドを勝ちに来ているのか? 自分はこのラウンドを取るべきなのか? いずれにせよ、カードは1ターンに1枚しか使えない(場に出ているカードのアビリティなどは例外)傾くシーソーを睨み合うような不思議なゲーム体験を、ぜひ味わってほしい。特に、度重なるアプデによってスターターパックが豪華になったので、今から入っても露骨なカード不足でつまらない思いをすることはない。ドラマ版シーズン2が来る今、スタートしてみてはいかがだろうか。

ちなみに、対人戦から入るのが怖いという人は「ウィッチャーテイルズ 奪われし玉座」という一人用のパズルRPGもある。グウェントとほぼルールは同じなので、触ってみてもいいかもしれない。


メギド72

たまにトレンド入りする変なスマホRPG。

よくある中世ファンタジーのJRPGに見られがちなビジュアルで、最初は敬遠するかもしれない。だけど、やり込んでみると、実は非常に豊かな世界観に裏打ちされたストーリーと、よくよく練られたバトルシステムのあるゲームだった。3年以上遊び続けているRPGはもうこのゲームしかない。

村を魔物に焼かれた少年が、追放されて人の姿になった悪魔たちの軍隊を指揮して、この世に災厄をもたらす側の悪魔たちを退けていくところから始まる。正直、テンプレって感じである。だが、そこはちょっと我慢してメインストーリーを4章まで遊んでほしい(とはいえ4章まで遊んでこれたなら、独自のバトルシステムにもうハマってると思うが)

ただの勧善懲悪ではないということだけでなく、この物語は戦争軍隊を描くことに非常に注力していることがわかってくる。主人公のソロモンは72柱の悪魔の軍団を従えているのだが、彼らには個性があり、もちろん生活もある。主人公と折り合いがつかなかったり、そもそも主人公の裏で彼が望まないことをしていたりもする。だが、ひとたび戦争が始まると、彼らは契約に応じて死力を尽くして戦ってくれる。そこに大きなドラマがある。

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(右の刺青だらけの少年がソロモン。戦争を重ね、王としての自覚がどんどん培われていく)

特に6章からは、配布であるドラマパート担当のいつものメンバーだけでなく、100体を超える全ガチャ産キャラクターが本格的に絡んでくる。ソシャゲの紙芝居ストーリーの形式でありながら、敵地に切り込む部隊と、拠点の防衛を行う部隊と、偵察や陽動を行う部隊が、それぞれのキャラの考えに沿って自由自在に動きまくる。本当にシナリオライターの方は群像劇を書くのがメッチャクチャ上手い!

敵味方で戦闘中の選択肢を奪い合う「フォトンドリブン」というバトルシステムも非常に練られている。それを支えている点として、全キャラクターのレアリティが統一なのだ。すべての配布&ガチャ産キャラには明確な長所と短所があり、どんなに育てようが敵味方との相性が悪ければ機能しない。王たる者、配下が輝く戦場に送り込まなければならないのだ。

まだまだ進化を続けるRPGなのは間違いない。母体がDeNAなので、ベイスターズのファンは課金したら一石二鳥どころか実質タダなのではないだろうか。よりいっそうお勧めである。


ドクターマリオワールド

29年目にして初のスマホ版登場。

ドクターマリオは、あらゆるケータイゲーム機に移植されたパズルゲームの老舗である。ドクターマリオが投げるカラフルなカプセルを、色の同じウィルスに三つ重ねることで消していくという落ちものパズルだ。

ドクターマリオワールドには、ステージモード(PVE)とVSモード(PVP)がある。ステージモードもまあまあ面白いが、キャンディークラッシュを整地したようなデザインで、ついついやっちゃうけど「傑作!」って感じではない。スゴいのはVSモードだ。

ドクターマリオといえば、瓶に溢れんばかりに詰まったウィルスを、微細な操作で色を分けていく忙しさが楽しいところだが、大体最初の2ラインくらいまではピークで、後は消化試合である(29年前のゲームに文句を言っても仕方ないが)
だが、流石に今回のスマホ版は変わっており、まず隙間があればどこにでもカプセルを置ける。加えて当然タッチ操作である。何が起こるか? とんでもなく忙しいのである。

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(対戦画面。マリオの牧歌的な雰囲気とは異なり、プレイヤーはどちらもエグい速度で親指を擦りまくっている。これにお邪魔スキルを撃つことも必要になってくる。脳と指が追い付く限り、いくらでもカプセルを取り出せるのもヤバい)

ドクターマリオに青春を捧げた人は、割といい歳になっているかもしれない。全盛期、いやそれ以上の爆速操作を求めて帰ってきたドクマリに、今一度付き合ってみてはいかがでしょうか。


おわり





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