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わたしの東大受験物語

はじめに


こんにちは!今年の春、東京大学教養学部理科Ⅲ類に入学した、安東亮祐と申します。今回は、私が大学受験を終えるまでのリアルな生活をつづっていきたいと思います。

高校入学

私は鹿児島県にあるラ・サール高校という中高一貫の男子校に高校から通っていました。私の高校受験については詳しくは書きませんが、中3冬に急遽志望を公立から難関私立に変え、つけ焼き刃で受験した結果、開成に落ち、ラ・サールに滑り込んだといった具合です。さて、入学直後は初っ端のテストで高校入学組で26/47という成績をとったのにもかかわらず、次は5番以内に入るぞと威勢のいい目標を立て、実際に達成します。意外と成績は簡単に上がるものだなあなんて調子づいた私は、もともと医学部志望だったのと、できるだけ視野を広げたいと思い、高1の10月にあった模試で東京大学理科Ⅲ類を第一志望に書きました。思えばこれが私が最初に理科三類を意識した時だったと思います。その後、しばらくの間は、高校内で10番以内をウロチョロしながら、だらだらと、しかし意識は高めに勉強をしていきます。当時は、いかに少ない勉強量で学力を上げていくかについてを友人とよく話していましたが、これが私の合格の大きな要因だったような気もします。

受験勉強

正直、「これからは受験勉強だ」なんていう区切りをつけていなかったので、高3になっても高2と変わらず、だらだらと勉強を続けていきます。ラ・サール高校では、遠方からくる生徒が寮生活をするのですが、高3になると近隣の下宿にお引越しします。寮では、毎日3時間の義務自習があることに加え、0時には消灯になるため、コツコツ勉強しながら規則正しい生活を送れるのですが、下宿ではそれらがないため、高3になってからの方が、高2の時よりも自堕落になり、読書量が増えてしまうなんてこともありました(受験2週間前にも平然と読書していたので、先生が聞いたらぶち切れもしくは苦笑いだったでしょう)。ただ、意識だけは(無駄に?)高いので、志望を落とすこともなく勉強していきます。今思うと不思議なくらいに、私は受かる自信が満々でした(ダニング=クルーガー効果?)。

そんな私も、2度、めっちゃ悩んだ時がありました。1つ目は夏休み明け。福岡の実家から下宿に戻り、夏模試を受けたのですが、思うようにいかず、夏休みの不勉強を悔いるとともに、親元離れて初めてのホームシックになりました(もちろん調子のいい私なので、時が癒してくれるのですが)。2つ目は出願直前。共テ後に遊んでしまったことが直に祟ってインフルエンザに罹患した結果、実家でダラダラ漫画やアニメにふけってしまい、さすがに不安になった私は、志望を変えたい欲求に憑りつかれました(ここでも謎の自信が出願の後押しをしてくれるという)。
ところで、私の不勉強なエピソードが多く、あまりよろしくないので、少し補足を入れておきます。ラ・サール生はやるときの吸収力が素晴らしいです。そして、やらないときには徹底的にやりません(これがラ・サール生の大学における留年率に寄与しているのは言うまでもない)。(個人の感想です ※編註)私もそれに漏れず、高1の時から、たまにやる気のある日に貯金を作っていくことで、やる気が湧かない日の分を補っていました。要するに、自分の勤勉さに自信が持てない人は、高1のときから積み上げていくのが大事ということです。

本番

入試本番ともなると、個人的に印象に残っている出来事がたくさんあるので、いくつか参考になるであろう内容を書くことにします。
私は慶應義塾大学医学部医学科を併願しました。男子校だと「男なら理Ⅲ一本」なんてことを言う人もいますが(個人の感想です ※編註)、個人的には受けて良かったと思います。というのも、受験の戦い方を意識することができるからです。模試や学校のテストの時だと、「この問題、難しいからこそ解き切りたい!」みたいな気持ちで解き進めても判定が悪くなるだけで済むし、最後の計算結果だけ合わなかったという場合でも「やり方はわかった」とかで済むわけですが、本番ともなると、結果は合格か不合格かしかないわけで、シビアな勝負をしないといけません。そのようなときに重要なのが、問題の取捨選択や、計算結果をびたっと合わせる力なわけです。慶医の数学は穴埋めなうえに、私の受験した年は問題が簡単で、答えをしっかり合わせることが重要であったため、答えを合わせることに集中する練習のいい機会になりました。
東大入試本番で印象に残っている出来事は、1日目の夜ごはんです。一つ目の山である数学が一段落して、疲労とちょっとの安心感を覚える私は、友人たちと共に「肉が食いたいな」とステーキ屋でハンバーグを食べました。満足感とともにホテルへ帰り、就寝した私ですが、そのハンバーグが翌朝牙をむきます。起きた瞬間、胃にズドーンと胃もたれ。しかし、目覚ましをぎりぎりにつけていた私は、早く準備をして朝食会場に行き、学校の先生の点呼を受けないといけません。しょうがないので防寒のためにコートを着て、部屋から出ようとした私ですが、ここで追い打ちを食らいます。前日のハンバーグのにおいがコートにがっつりしみ込んでいるのです。ただでさえ胃が持たれていた私は、その追い打ちを食らったことで吐き気を催し、しばらく部屋にとどまります。そんなところに先生から寝坊を心配する電話がかかってきて、やばいやばいと思いながらも、少し部屋でゆっくりすることでなんとか落ち着き、吐かずに受験を迎えることができました。よく、大切なイベント前に重いものを食べるなと言いますが、自分は大丈夫だろと過信したことで、あやうく最悪な受験を迎えるところでした。みなさんはぜひ、受験前は消化に良いものを食べましょうね☆

合格発表、その後…

二次試験から合格発表まではメンタルが不安定な中、友人と夜じゅう電話しながらゲームをするなどして過ごしました。そんなわけで合格発表当日には発表2分後に親に起こされて、急いでパソコンで確認というする始末。自分の受験番号をみて一安心できました。また、その後には中国語TLPに選ばれていることも分かり、とても嬉しい結果となりました。今は、東京の雑踏にもまれながらも、楽しい日々を過ごしています。

最後に

だらだらした文章でしたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。たかが3年間勉強しただけで何偉そうな、とも思う人もいるかもしれませんが、自分の限界を決めつけず、無謀とも思えることもまずは目指してみるということがとても大切だと思います。いつか成長している自分を信じて、難題に挑戦していくことで、今まで見えなかった景色を見ることができると思います。諦めたくなることもあるかもしれませんが、何とか踏ん張り、「挑戦」を続けていってください。


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