まったり

芸能界を目指すとちこのお話⑦ 【始動】

【前回までのあらすじ】

大学2年生で芸能界を志し始めたとちこ。
両親も応援してくれて無事スタートを切ることができたのでした。


手始めに、「Deview」というオーディション雑誌を買いました。
「芸能人になる!」と決めたものの、どんな事務所があるのか、何をしたらいいのか、見当もつきませんでした。

この「Deview」という雑誌は、事務所や劇団のオーディション情報、オーディションに受かるコツ、実際、オーディションに受かった人たちへのインタビューなどが掲載された雑誌です。

芸能界にはたくさんの事務所がありました。
手始めに履歴書でも送ってみるか・・・と思ったところ、
「応募条件18歳以下の男女」というフレーズの乱立。

この時とちこは19歳でした。

掲載されていた合格者の顔を見ても、10代前半の子たちが並んでいて、完全に出遅れ感を感じました。

まだ19歳のつもりでいたけど、この世界では「もう」19歳。
スタートが遅いということは、この子たちの何倍も努力しなきゃいけない。

「いいな」と思うような事務所は18歳の壁が立ちはだかる。
年齢制限ないところを受けてみようか、ダメ元で18歳までのところを受けてみようか悩みに悩んで、数か月また余分に年を取った。

そんなある日、気分転換に東京へ遊びに行きました。

すると、ひとりのスカウトマンに声をかけられました。
「オーディションを受けに来ませんか?」
これはチャンス!!!!

でも、すぐに食いつくのは危ないです
事務所といっても様々な事務所があります。
AVや芸能界に憧れる気持ちを逆手に取った詐欺だってあります。
(ってDeviewに書いてあった)

「今日は時間がないので、また後日伺わせていただきます。」
名刺を受け取って、家に帰って事務所をググる。

都内の事務所で、個性派俳優をたくさん排出している事務所でした。
名刺に載っている住所と、事務所のHPに載っている住所を突合。

一致!!!
すぐさま電話をかけて、オーディションの日時を告げられる。

オーディションの日、会場に行ってみると、その時間帯だけで20名ほどの参加者がいました。
あれ?声かけられたのに、もしかして不合格とかあるの・・・??

不安な思いで周りを見渡してみると、周囲の参加者たちはみんなとちこより明らかに年下の中高生、小学生っぽい子までいました。

スカウトされたのだから今日のオーディションは顔見せ的なもので、参加者は自分一人だと勘違いしてたとちこ。
何の準備もしていなかった。

だけどこんなチャンスめったに巡ってこないだろうし、後悔のないように頑張りたい。
待ち時間に、Deviewに書いてあったことを必死に思い出して自己PRを考えました。


つづく🐑

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