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個展開催に向けて。

Toshifumi Kakiuchi Exhibition【DEBAUCHED KINESTHESIA】
6月11日〜23日の期間京都にある同時代ギャラリーにて開催されます。

https://www.dohjidai.com/gallery/exhibition/debauched-kinesthesia/


個展に先駆けて

展示についての思いを少し書き記したいと思います。

まずタイトルにもある
【DEBAUCHED KINESTHESIA】とは
身体が従来の慣れ親しんだ使い方とは違う、新たな方法で骨格や筋肉を使い始めた時に生じる違和感。自分の習慣や物事のやり方に慣れすぎていて、何かが変わると不可能にさえ感じたりする感覚のことを意味します。

僕はこれを過去の概念から出た新しい自分自身の感覚との間に生じるギャップとしても捉えています。不思議で嘘みたいだけれども心地が良くワクワクする感覚です。

過去への回顧と現在への違和感、未来への期待が同時にやってくる、なんとも不思議な感覚です。

普段目には見えない臓器や骨をモチーフに、
こんな風に無意識にそこに存在している当たり前に対して、意識を呼び起こすことをテーマに添えています。

【DEBAUCHED KINESTHESIA】という概念は、僕自身がNYで出会い、2018年より継続して学んでいる身体感覚のトレーニング、アレキサンダーテクニークのコンセプトの一つです。

2021年にNYから京都に移り住んだ時から表現活動と並行して、アレキサンダーテクニークのプロフェッショナルになるため、NYで出会ったコーチの元、3年間、週4回、トータルで1600時間のトレーニングコース受講してきました。

個展開催後の7月にトレーニングを終えて、卒業を迎えます。

元々自分の身体を使って表現することが好きで、
身体への興味が尽きなかった自分に感覚的にもピタリとハマりました。

飽き性な自分が3年間もトレーニングにコミットできるのか、
始めた当初は不安でしたが、学びを深めるたび、身体の持つ可能性に気づき、その気づきがまた自分のアート活動にプラスの影響を及ぼす相乗効果も相まって、ここまで続けてくることができました。

余談ではありますが、子供の頃から歌手になることが夢で、18歳で上京し音楽活動、そこでストリートダンスに出会い、次は修行のため憧れの地NYに移住し、そこで絵を描く表現にも魅了され、やること全ては身体表現なんだと自分の中で腹落ちし、このトレーニングも始め、とにかく寄り道、回り道の多い人生を送ってきました。

自分は一つのことに集中して取り組むことができない人間なのだろうかと悩んだ時期も腐るほどあります。

それでもとにかく変化を恐れずに、自分の興味の赴くままに動き回った結果なんだか全て繋がっていることに気がつきました。

誰にも頼まれてもいないのに、好きで思わずやっちゃうことって、
結局それが自分の特性なんだと理解しました。


次なるステップ

ではこの表現活動が一体誰の何のためになるのだろう。
ただ好きでやっていることが、誰かのためになる転換はどこでどんなふうに起こるのだろう。それが今回の個展の前に出た疑問でした。

ただ好きでやっていることにも自分にとって何かしらの意味を含んでいることは間違いありませんでした。

振り返ってみるとそれは自分の世界にこもり、とにかく気持ちよく己を解放するための時間でした。

本当は曝け出してしまいたい思いを抱いているけれど、打ち明けられない歯痒さ。
それを誰にも悟られないように人前で仮面を繕う自分へのやりきれなさ。
そんな自分に慣れすぎて、もはや麻痺していることにも気づかない無意識的な生き方。

それをその瞬間だけは全て解放して癒してくれていたのが
一人で黙々と絵を描いたり、大声で歌ったり、リズムと共に好き勝手に踊る、表現をすることでした。


要はどうゆうことか

あぁ、これはヒーリングだったんだ。
堂々と、自分はこんな人間ですと胸を張って人生を歩んでいくための準備をしていたんだな。

表現活動には自分を癒すためのエネルギーが込められていたことに気がつきました。

てことはどういうことかっていうと、
そういうことなんです。

誰かを癒してあげようとか、変えてあげようなんておこがましい考えはありません。アドバイスを送るつもりもありません。
生きている人生の背景はそれぞれに違うのだから、その人にしか理解できない何かが確実に存在しています。
それは自身でしか触れられない領域、扉のようなものです。

ただ僕が表現することを通して、己を癒すために込められた振動は回り回って誰かを癒すことが可能なんじゃないか。
そんな気はしています。

ちょっと矛盾しているかもしれませんが、誰かのために何かをするつもりはなくても誰かのためになりたい。
ただ好きでやっていることの本質を磨いていきたい。

そんな思いが僕が作る作品には込められています。

最後に

まだまだ変化し続ける人生であり、
半年後に興味を持っているものすら想像もつきませんが、
今この時点の自分で表現できるものを出していきます。

今回の個展で展示するのは京都に来てから描いた作品で、
全て新作です。

この機会を通じてまたどんな出会いがあるのか。
どんな気づきをもらえるのかとても楽しみにしています。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

お時間許す方はぜひ同時代ギャラリーまでお越しください!
6月11日〜6月23日です。

毎日在廊しております。
お待ちしてます!!


垣内 俊文

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