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もし自分が「LIGHT UP COFFEEのCMO」だったら?/#11 マーケティングトレース

Advent Calender2019 14日担当ということで更新しました。ものすごく記事が長くなってしまいましたが、読んでいただけると嬉しいです。


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今回の #マーケティングトレース のお題は個人的に好きなコーヒーショップである「LIGHT UP COFFEE」をテーマにします。
LIGHT UP COFFEEを知ったのは、会社でドリップコーヒーセミナーをしてもらったことがきっかけです。その時に飲んだ味がとても美味しかったので、その時から好きなコーヒーショップの内の1つになりました。

また代表の川野優馬さんの行動力やコーヒーに対する想いが「LIGHT UP COFFEE」のことを好きになった理由でもあります。
気になる方は以下を読んでみてください!
(自分の想いが乗ったのか5,700文字オーバーの長文となりました)

それでは早速、LIGHT UP COFFEEのマーケティングトレースをやります。

会社概要:LIGHT UP COFFEEを知る

会社名:株式会社ライトアップコーヒー
設立 :2016年7月26日
所在地:東京都武蔵野市吉祥寺
代表者:川野優馬
資本金:400万
従業員:30名
事業 :コーヒー/豆(卸)販売、セミナー、ケータリング、
    カフェオープン手伝い、バリスタスクール運営
店舗 :吉祥寺、下北沢、京都

ビジョン
農作物としてのフルーティーなコーヒーを楽しむ文化を広めること

目標

最も発信力のあるコーヒーショップになること

コーヒーに対する想い
以下2つの想いを大事にされています。

1.コーヒー農家の収入を上げたい
2.美味しいコーヒーをたくさんの人に届けたい。


LIGHT UP COFFEEの特徴
<コーヒー豆>

LIGHT UP COFFEEはスペシャルティコーヒーを取り扱っています。
※コーヒー豆にはランクがあります。

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<コーヒー豆卸販売>
店舗向けに豆の卸販売に加え、好みの豆の選定オリジナルブレンド、オリジナルパッケージの作成も行なっている。また、美味しく淹れるための器具選びや入れ方トレーニングも行なっている。

<ケータリング>
イベントや展示会、打ち合わせやパーティなど、バリスタがその場に出向いてコーヒーを提供。

<セミナー>
カフェラテの作り方、ドリップの方法などのセミナーを定期的に開催している。

<バリスタスクール>
バリスタとしての技術と心構えを2ヶ月間全8回のコースで学ぶことができる。バリスタを目指す人、カフェ開業中など体系的に学びたい方やコーヒーが好きな人まで幅広く対象としている。

<農園ツアー>
海外のコーヒー農園ツアーを不定期?に行なっている。
内容はコーヒーチェリーの収穫から、発酵、水洗、乾燥まで、コーヒー生産の体験ツアーに参加することができます。

直近ですと、以下のツアーをやっています。


<店舗に隣接したオフィス>
店舗運営以外のことで思いついたことがあれば、すぐにできるようにオフィスを隣接しているのが成功に向けた戦略
(これがLIGHT UP COFFEEの成功に必要不可欠な要素)

「オフィスがないと、Webページを作ったりSNSを運用したりしようと思っても、スペースがなくてできないんです。かといって自宅でやるのかというと、疲れて帰宅した後にやる気にはならない。軽いことのように思えるかもしれませんが、意外とオフィスの有無がボトルネックになっているんです。うちはオフィスが上の階にあるので、思いついたことがあれば、すぐにオフィスで実行できます。店舗運営以外のこともしっかりと行うなら、絶対に飲食店でもオフィスを持つべきだと思いますね。」

LIGHT UP COFFEEのビジネスモデルを図解してみる

個人と法人に対してサービスや商品を提供し収益を得る様にしている。
仕入れ部分が不明瞭なところもありますが、以下図解の形になると思います。解釈違ってたらすいません。

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PEST分析:外部環境を整理

以下が主に影響すると考えられる外的要因。

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(PEST分析の補足)
Politics(政治的要因)
・公正競争規約(ランク、銘柄に偽りがある実態あり。。。)
・食物検疫法(コーヒ生豆の残留農薬基準に留意が必要)
・食品衛生法/食品表示法/景品表示法/健康増進法/資源有効利用法etc…
Economy(経済的要因)
・国内コーヒー消費量微増
・生豆輸入量増加傾向
 ※参照元リンク
・可処分所得低迷
・コーヒー豆価格推移は低下傾
 ※参照元リンク
・消費増税10%(豆、持ち帰りは軽減税率対象)
Society(社会的要因)
・新業態登場(スペーシーコーヒーの登場)
・飲食業界の人手不足
・オリンピックによる需要増期待?
 (EUが最もコーヒー消費量が多く、次いで米国、ブラジル)
Technology(技術的要因)
・サブスクモデルの登場
・SNS発達によるUGC機会
・家庭用器具の技術発達(焙煎機、ミル、エスプレッソマシンなど)
・ネスカフェなど、家庭、オフィスでも気軽にコーヒーが飲める
・自動ハンドドリップマシン

SWOT分析:機会と脅威の整理

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カフェや喫茶店、コーヒースタンドは規模の大小問わず有象無象に存在しているため、認知度がどうしても低くなってしまうのが弱みではあるものの、顧客接点機会が多く、コーヒー消費量の多いEU、米国圏の訪日者が大量に訪れるオリンピックは良い機会と言えそう。そのために、より多くの人に飲んでもらう機会を創出したい。

5F,3C分析:業界構造とKSFを把握する

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コーヒーを飲む機会はそこら中にある。売り手も買い手も選択肢は多く存在しているし、飲料の代替品としても多く存在しているため、業界内競争は激しいと言える。

競合他社を知る

業界内競争が激しく厳しい環境と言っても、LIGHT UP COFFEEはスペシャルティコーヒーを提供しているため、競合他社の提供している商品全てが競合するわけではない。そうすると競争環境は限定的になる。

例えば以下の様に、コンビニではセブンイレブンが最近出した青の贅沢は通常のコーヒーより良い豆を使用し、わずか10円UPで提供。
他にもサントリーが期間&販路限定で出していたBOSSプレミアムリミテッドブラックは300円と、スターバックスなどと変わらない価格。
全て調べきれていませんが、同様の価格帯の商品はおそらく存在している。

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ここでコンビニコーヒーや缶コーヒーを挙げていおてなんですが、そもそも利用シーンが異なるので、例として挙げるのも違和感があります。
競合定義を間違うと戦略がズレてしまうため、再度考え直す必要がある。
競合を以下条件を満たしていることを前提に定義します。

・実店舗がある
・豆を購入することができる(実店舗、EC)
・関東と関西に店舗がある(LIGHT UP COFFEEが東京2店舗、関西1店舗)
・スペシャルティコーヒー豆を扱っていること
※意外と限定されます

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多くの人に知られているであろうBLUE BOTTLE COFFEEと知っている人は知ってるSTREAMER COFFEEで比較することにしました。
※スターバックスはスペシャルティコーヒーの取扱いは一部の為除外
※他にもありそうですが、多すぎると膨大になる為絞りました。

店舗数比較
LIGHT UP COFFEEは他社と比べると店舗数は限定的。利用しているユーザーは限定的と言えそう。

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STP分析:LIGHT UP COFFEEのターゲット顧客を知る

LIGHT UP COFFEEは、誰をターゲットにしてどんなポジションを狙っているのか整理。
ターゲット
・スペシャルティコーヒーが好き(コーヒー豆・味に拘りを持っている人)
・コーヒーを自分で淹れるのも好きな人
・味の好みと相性が合う人(フルーティーなものが好き等)
・お気に入りのカフェはリピート傾向にある人
 ※気に入ったら好きで居続ける

ポジショニング
競合他社と比較し
・コーヒーの味がフルーティー(季節ごとにバリエーションあり)
 →こだわりポイント
・ユーザーコミュニケーション機会が多い(これが一番の特徴)
のイメージ想起ができる。
特にユーザーコミュニケーション機会として、コーヒーセミナー農園ツアーなど、カフェ運営側と密なコミュニケーションを取る機会は、他のカフェにもない。自分でコーヒーを淹れるのも好きなユーザーにとっては、最高のコミュニケーション環境である。

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4P分析:マーケティングミクスで全体像整理

Product:商品
・コーヒー、豆、グッズ
・コーヒー農園ツアー
・コーヒーセミナー
・カフェ開業コンサルティング
 etc…
Price:価格
・コーヒー1杯300円~
・豆1,300円~
・セミナー5,000円~
・ツアー69,000円~
・スクール58,000円
Place:売場(店舗)
・吉祥寺、下北沢、京都
Promotion:広告
・SNS、Webマガジン運営

ここまでのまとめ

一旦ここまでの情報で大事なことをまとめてみると、
・コーヒー消費量の多いEU、米国圏訪日者のサービス提供機会増見込み
コーヒー以外にも法人・個人に対して様々なサービスを提供している
・フルーティーな味わいのあるコーヒーを提供している
・競合他社と比較すると独特のポジショニングを取っている。

 →運営側との接点×拘りのあるユーザーをターゲットにポジショニング
 →コーヒーを飲むこと以外の接点を複数設けている

自分がLIGHT UP COFFEEのCMOだったら?

もしあなたがLIGHT UP COFFEEのCMOだったら、売上を最大化するためにどのようなマーケティング戦略を考え・実行するか?

売上最大化=店舗数×商品単価×来店客数(購入者数)

となるため、店舗数(place)、客単価(price)、客数(Promotion)はマーケティングミックス、客数はターゲットの工夫と考える。

ターゲットユーザーは誰にするか?

ターゲット案は2つ

<ターゲット案①>
これまでの分析関係なく、新たに広げたいユーザー層として提案

ターゲット:20~30代女性
ポジショニング:デザートに合う美味しいコーヒー

ターゲットとして設定した理由:
コーヒーをよく飲む年齢層は、40代〜50代が多いため、20~30代の内に将来のコアユーザーとして育て上げておきたい狙いがある。
※性別、年齢別1週間あたりの杯数
全日本コーヒー協会

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また、女性×デザートに着目した理由は、
・週1回以上スイーツ/デザート類を食べる女性の割合が8割
・デザート類が好きな女性は9割強
・食べ合わせる飲み物としてコーヒーが5割以上
・スイーツを食べるのは「普段のおやつ」6割以上
・デザート購入先として「スーパー」7割、「専門店」6割

というアンケートデータがあり、食べ合わせの提案メニューとしてコーヒーが選ばれる機会も割合として多いため、LIGHT UP COFFEEが一緒に飲める機会があれば良いのでは?と考えたからです。

と思ったら、先日マーケティングトレースでも話題になっていた、BAKEとコラボしていた様です。。。笑

マーケティングミックスの何を工夫するか?

工夫するのは店舗(place)
※数は増やさず、販路を増やす。

BAKE自由が丘店でのコーヒー提供の様に、20〜30代女性に人気のスイーツ店とコラボし、LIGHT UP COFFEEを知ってもらい、新たな見込み顧客として取り込む。

安易だが、例えば原宿で人気らしいスイーツでコーヒーと食べ合わせに最適なデザート店にコラボ営業をかけに行くのもあり。

競合との差別化は何になるか?

LIGHT UP COFFEEの強みでもある、フルーティーテイストのコーヒーが、各デザートに合うコーヒーを提供することができることが差別化になると考えている。

<ターゲット案②>

ターゲット:訪日外国人
ポジショニング:観光スポット(フォトスポット)×美味しいコーヒー

ターゲットとして設定した理由:
訪日外国人は年々増加傾向にあり、2020年度はオリンピックもあるため更に増える。

訪日


LIGHT UP COFFEEとしても、観光地として訪日客がよく訪れる京都にも出店しているので、ここで一気に認知度を増やして来店者数を増やしたい。

マーケティングミックスの何を工夫するか?

工夫するのはPromotion(Instagram)

アプローチは2通り。
アプローチ①:既存アカウントの英語化運用

以下アカウントを参考にInstagramでの投稿内容を英語化する。

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年間65万人の外国人が訪れる白川郷の公式アカウントでは、訪日客向けに対しても英語文とハッシュタグでしっかりと訴求。
「白川郷に行きたい」と思わせる写真投稿の工夫もされている(要は映え)

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まずは訪日外国人に来てもらいやすい京都店のSNS運用アカウントをテコ入れする。

例えば以下の様な投稿を英語化し、「観光地京都で飲めるコーヒー」ブランディングを行う。

LIGHT UP COFFEEを知ってもらい、訪日外国人のSNSアカウントでもシェアしてもらう様に仕掛け(キャンペーンなど行う)、拡散を狙う。

外国人のシェアが増えてきた段階で、東京での訪日外国人対策を検討していく。

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アプローチ②:JNTO(日本政府観光局)公式アカウントに紹介してもらう

36万のフォロワーがいるJNTO公式アカウントに紹介してもらうことで、リーチを広げる。

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JNTOが紹介しているカフェ例。

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JNTOに対しては、「京都の訪日外国人を増やすきっかけを作らせてほしい」と交渉。JNTOとしても、訪日外国人が増えることに対してネガティブに思うことはないだろうから、交渉を持ちかけたい。

CMOとして実行する施策のまとめ

CMOとして実行する施策をまとめます。

・20~30代女性に対してデザートきっかけで認知、購入促進を行う。
 →BAKEの様な人気スイーツ店とコラボして販路を拡大。
・集客チャネルのSNS運用強化
 →公式アカウントの英語化と観光地京都を利用したブランディング
 →JNTOアカウントへの掲載交渉

以上となります。
今回個人的に好きなLIGHT UP COFFEEについてお題にしたため、めちゃくちゃ文字数が多くなってしまいました。

記事を読んでくださる方のことを考えると、もっとコンパクトに要点が伝わる内容にした方が良いと思うので、次回作以降は改善します!

Twitterもよろしくお願いします! https://twitter.com/jyunia0110