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日活ニューアクションの魅力!

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日本のアクション映画史上、最大のターニングポイントとなった1960年代末から70年代にかけての「日活ニューアクションの世界」をまとめました。
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2020年8月の記事一覧

『広域暴力 流血の縄張』(1969年・日活・長谷部安春)

『広域暴力 流血の縄張』(1969年・日活・長谷部安春)

 ドスを呑込んだダボシャツ姿のアキラが、新宿歌舞伎町を彷徨う。望遠レンズで捉えたキャメラが、ナマナマしく1969年の新宿を行き交う人を映し出す。血まみれのダボシャツ。剃り込みの入った額。全身から発散する気迫。まさか、これが「渡り鳥」で黄色い歓声を浴び、スーパーヒーローとアジアで賞賛されたマイトガイと呼ばれた小林旭だと、誰も思わなかったんじゃないだろうか? 

どう見ても本職。もちろん周囲にはスタッ

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『紅の流れ星』(1967年・日活・舛田利雄)

『紅の流れ星』(1967年・日活・舛田利雄)

「何か考えることねえか、って考えてるんだよ」舛田利雄監督と渡哲也による、1960年代末の日活アクションの金字塔! !

 この『紅の流れ星』は、俳優・渡哲也にとっても、日活アクションにとっても工ポック・メイキングとなった傑作。渡は、1965 (昭和40)年に『あばれ騎士道』でデビュー、昭和40年代を担う日活スターとして大々的に売り出された。渡は、舛田利雄監督による『嵐を呼ぶ男』(1966年)、『星

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