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日活ニューアクションの魅力!

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日本のアクション映画史上、最大のターニングポイントとなった1960年代末から70年代にかけての「日活ニューアクションの世界」をまとめました。
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2020年7月の記事一覧

『侠花列伝 襲名賭博』(1969年・日活・小澤啓一)

『侠花列伝 襲名賭博』(1969年・日活・小澤啓一)

 日活100年を迎えた2012年、松原智恵子さんに「ご自身のベストは?」と質問をすると、即座に「ベストではないかもしれませんが、どうしても観たい作品がある」と答えられたのが、この『侠花列伝 襲名賭博』だった。それまで任侠映画、現代やくざ映画といっても、美しく可憐なヒロインばかりだった彼女が、初めて、壺振りや仁義を切る映画に主演。好奇心旺盛だった頃で、立ち振る舞いや、壺振りの指導を受けるのが楽しかっ

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『八月の濡れた砂』(1971年・藤田敏八)

『八月の濡れた砂』(1971年・藤田敏八)

日活青春映画の「白鳥の歌」!

  昭和46(1971)年。日本映画史に残る衝撃的な作品が登場した。藤田敏八監督の『八月の濡れた砂』は、斜陽の映画界にあって、ロマンポルノ路線転向直前、日活最後の一般映画として封切られた。同時上映は、蔵原惟二監督の『不良少女魔子』(夏純子主演)。石原裕次郎の衝撃的なデビュー作『太陽の季節』(1956年)や初主演作『狂った果実』(1956年)に始まる日活青春映画の歴史

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