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ファクトフルネス~5つの誤解を乗り越え、源流を基に祭り化を正しく認識する~

皆さん、こんにちは! 株式会社マツリカで祭り化を研究している佐藤(@toshi0310maz)です。この記事は#祭り化 Advent Calendar 2019 18日目の記事です。そして、私の初noteでもあります。ガチのノートに綴っていたここ数年間でしたので、ようやくITボーイになれた気分です。

私はこれまで「祭り化とは何なのか」を創業前から語ってきました。
以下の記事はそのまとめ版と言えます。

そして、祭り化誕生の起源はこちらのtweet参照ください。

ただ、まだまだ伝わっていない。むしろパワーワードゆえの誤解も生じているかもしれない、そんな気持ちの2019年12月。そこで今回は逆に「祭り化とは何ではないのか」を語り、その姿を際立たせてみようと考えています。

これは今年前半話題となった『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』に影響を受けています。この本のサブタイトルには「10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」とあります。私も5つの誤解を乗り越え、源流を基に祭り化を正しく認識してもらう挑戦をしよう、そう決意したのです。これが祭り化のファクトフルネス!

① お祭りではない

これが一番誤解されているところではないかと思います。私たちは常日頃から神輿を担いでいる集団ではありません。いつでもウェーイ!!と騒いでいるパーティーピーポーでもありません。ええ感じのお祭りを企画するイベントプロデューサーでもありません。

これはお祭り自体を否定している訳ではありません。お祭りは楽しいし最高です。私たちもお祭り騒ぎをすることもあります。法被を着ることもあります。そして、実際にお祭りに携わる人が祭り化していることは十分に考えられます。ここで伝えたいのは、表層的に盛り上がっている状態を祭り化と言っているのではないよ、ということです。

祭り化とは、没頭して夢中になり、エネルギーに満ち溢れた状態を指しています。一見すると静かなる場であったとしても、内秘める青い炎が共鳴し合っているということはあります。表層的な見せかけに囚われてはいけません。大事なのは、猛ける己が心力挿して、最高の瞬間を今にアップデートしていくことなのです。

② お題目ではない

これまで多くの方に「素敵な言葉ですね!」「印象に残る言葉ですね!」と仰って頂きました。とても嬉しいです。でも、もしキャッチコピーやスローガンだと思っている方がいるとすれば、ちょっと待ったと言いたいです。

祭り化はお題目として唱えているのではありません。敢えて言葉にしたのは世界を変えるためです。私は「世界とは認識主体によって創造された言葉の網の目である」と教えられ、世界を変えるということは、突き詰めると「新しい言葉を生み出して波及させていくこと、新しいラベリングを行うこと」だと学びました。

そう、これは私たちが創り出す世界であり、それを表す概念であり、具体的な第一歩なのです。祭り化という言葉が生まれた日、私はこう思いました。「時は来た!それだけだ」と。

③ How toではない

私が上記のような話をすると、「じゃあ、どうやってやるんですか?(どうやって祭り化させるんですか?)」という質問をいただくことがあります。おいおい、待ってくれ。そんなお手軽なHow toではないんだよ。そんな時には孤独のグルメさながらの心のナレーションをぶちこんでいます。

即効性のあるHow toではありませんが、汎用性のある理論が下支えしているのが祭り化という概念です。「これさえやれば、たちまちあなたも祭り化状態さ!」という深夜の通販みたいなものではないですが、自組織で取り組む際に参考となる考え方は用意されているということです。例えば、祭り化では目標の在り方がとても重要になりますが、そういったことをいくつかの観点から整理しています。

とは言え、まだまだ個別理論の域を出てないのが祭り化理論だと考えています。それを原理原則まで磨いていこうという想いから研究所を名乗っておりますので、その辺りはまた別noteとしてまとめようと思います。

④ 力技ではない

私は生粋のITチキン(ITリテラシーが低い)で気合い系の人間です。そんな私が声高に叫んでいるので、テクノロジーとは縁遠いものとして捉える方もいるのではないでしょうか?ノリと気合いと勢いで…そんなアプローチなんだろうと。

しかし祭り化にテクノロジーは欠かせないと考えています。実際に弊社HPにも「人とテクノロジーの力を掛け合わせ」とはっきりと記載しております。

私としては大きく3つの理由があると考えています。
1つ目は、世界を見据えるとテクノロジーを使わないという選択肢は考えにくいということ。2つ目は、人が本当にやりたいことに集中してもらうために、人がしなくてもよいことはテクノロジーを活用すべきだということ。3つ目は、祭り化をもたらすムーブメント(運動論)を展開する時に必要になるということ。

ちなみに3つ目に関してはテクノロジーだけでも難しいです。人とテクノロジーの両方があって実現するものだと考えています。ある対象(組織)に祭り化をもたらそうとした場合、場とツールを利用した運動論を展開することがポイントになるからです。この辺りもまた別の機会に詳しく説明したいと思います。

⑤ 限定的ではない

人や組織の状態を表す概念なので、ともすると適用範囲が限定されるものだと思われているかもしれません。「私たちの価値の源泉はそこではない」とそう思っている方もいるのではないでしょうか?でも、以下のグラフを見てください(古くてごめんなさい)

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年々、第三次産業の割合が増えていることが分かります。そしてグラフには載っていませんが、その傾向は近年益々高まっています。これは「産業のサービス化」が加速しているということです。つまり、人そのものが価値の源泉になっているということなのです。

また以下はセミナーでお話した内容からの抜粋ですが、企業が長期的に選ばれ続けるためには、業種業界問わず、組織の力を高める必要があります。

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このように時代の流れや市場環境を鑑みると、選ばれ続けるために多くの企業で「祭り化による組織エネルギーの最大化」が求められているのです。
もはや効率化するだけで生産性を高めるには限界があります。いかにして最大出力を高めていくか、そのテーマへの切り札となり得るのもまた祭り化なのではないかと思うのです。

まとめ

①お祭りではない
→表層的な盛り上がりではなく、没頭して夢中になり、エネルギーに満ち溢れた状態である
②お題目ではない
→単なるキャッチコピーやスローガンではなく、世界を変えるための具体的な第一歩である
③How toではない
→即効性のある簡易な方法論ではなく、汎用性を秘めた理論である
④力技ではない
→ノリと気合いと勢いのアプローチではなく、人とテクノロジーの掛け合わせである
⑤限定的ではない
→適用範囲が限定されるものではなく、組織エネルギーを最大化したい全ての組織の切り札である

以上、5つの誤解に立ち向かってみましたが、いかがでしたでしょうか?
誤解を乗り越えた先に、これまで以上に祭り化の姿が明確になっているのであればとても嬉しいです。

いやぁ、祭り化って本当にいいもんですね。


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