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通販化粧品の歴史的背景からキーワードを抽出する

先日、記載したとおり、定期的に『戦略的ヘッドコピー開発術』の内容を共有しています。

今回は、化粧品ジャンルの市場年表の分析によって特徴的年代層を解説します。商品戦略の構築、それに伴うキーワード抽出と具体的表現開発の参考にしてください。

第3章 ケーススタディ
化粧品ジャンル 世代別市場分析とキーワード抽出留意点


■市場年表の分析

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化粧品ターゲットの特徴的年齢層

通販化粧品にややフォーカスを合わせ歴史的な市場背景を分析すると、3種類の特徴的年齢層が浮き彫りになります。

①世代A.団塊世代
女性の意識向上とともに消費者意識の概念を市場に定着させた草分け的世代。
化粧品による皮膚障害が社会問題となり、その背景から80年代に入り無添加の「ファンケル」、オイルフリーの「オルビス」などが登場し、化粧品通販ジャンルに台頭し、化粧品通販市場を確固たるものにするが、これに大きく貢献したのがこの世代である。以降、流れは自然派化粧品ブームへとつながり、大手の一般流通系化粧品の参入により、ニッチマーケットは崩壊する。
現状では、この世代は年齢的にすでに「化粧品引退組」となりつつある。その結果、最低限のお手入れとして「あきらめないで」で「茶のしずく」の固形石鹸(「茶のしずく」の茶は自然派のなごりとも解釈できる)、せめて出かける時ぐらいは手間を掛けずにお化粧しようという欲求からオールインワンのカバー力の高いファンデーション「BBクリーム」のヒットが市場における象徴的な現象として見られる。新聞購読者のコアターゲットは、この世代とこの世代以前の「低消費者意識」世代である。

キーワード抽出の留意点
世代Aに対しては、過去のトレンドの残像である既成概念として
「天然」「自然」
スキンケア離れからの現状における
「オールインワン」「カバー力」
と言ったキーワードに対して意識し、優位性が得られる表現開発が有効
と考えられる。


②世代B.40前後世代
団塊ジュニア世代とざっくり言えるが、この世代は自然派化粧品を中心とした通販化粧品ブームの潮流とともに、市場のマニアック化傾向を強めた世代である。90年代に登場した「コスメフリーク」世代である。女性雑誌の通販化粧品特集あるいは化粧品専門のムック版などで、スキンケアを中心に美容成分が次々に紹介され効果競争は激化し、ドクターコスメブームに発展。大手の参入と同時に薬事表現規制強化によりブームは終焉を迎えた。結局、大手化粧品メーカーの高い技術力によって、スキンケア効果は標準化され「どれを使ってもあまり変わらない」といった状況に至り、市場はブーム以前の大手イメージ戦略に舞い戻り、現在、特化した特徴を持った化粧品通販は見当たらない。
インターネット第一世代でもあり、セレブ系以外はあまり雑誌を買わず、
無料のアパレル通販雑誌をファッション誌代わりとし、情報はネットで
収集する。

キーワード抽出の留意点
世代Bに対しては、美容成分訴求において、確固たる市場を形成している
「コラーゲン」「ヒアルロン酸」( 保湿系)
「コエンザイムQ10」 (エイジングケア系)
への優位性を確保しなければならない。

③世代C.若年層
スキンケアよりも、メイク品に志向が高い。ギャル文化的には、アイメイクとネイルへの興味が強い。スキンケアにおいては「もう悩まない」のプロアクティブのターゲットであるが、ターゲットからの欲求は「気になるニキビをなくしたい」。
だから機能性のある医薬部外品スキンケアでケアするという合理的な選択。決してファッションや趣味でスキンケアにのめり込まない。低価格、高品質が絶対条件で、汗で流れ落ちにくいバレリーナが使用するヒット商品「チャコット」のパウダーファンデーションもブランド比較において低価格。
情報収集や購入もネットより携帯で行う。カリスマ的雑誌がカリスマ読者モデルを生んでいる。


化粧品ジャンルでは、意識の異なるどの世代へのアプローチをメインとするのか、対象の明確化をし、現状の市場を牽引する商品ブランドに対して、どのような優位性あるいはベネフィットを明確化にするかが、商品戦略上の課題となります。

キーワード抽出の留意点
世代Cに対しては、
「メイク効果」(特にアイメイク)
スキンケアにおいては
「ニキビ対応」と合理的な機能性訴求が求められるキーワード抽出に反映
すべき。
但し「低価格」が大前提となるため定着性に期待は持てず、顧客生涯価
値も低いと考えるべき。


『戦略的ヘッドコピー開発術』の内容は、以下のようにマガジンとして読みやすくまとましたので、ご活用ください。

マガジン【戦略的ヘッドコピー開発術】
https://note.com/toshi_iwamoto/m/m7c0dbbb1b96f

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