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企画力は物語のアート

20年前の田坂広志先生の著書『企画力』。サブタイトルは「人間と組織を動かす力」。

「企画力」というと、企画を書くためのテクニックばかりの小難しい内容かと思いがちかもしれないが、この書籍はそうではない。読みやすいのはもとより、読者の腹に落ちるような文章の構造と、テクニックを駆使して書かれている。私の好きな表現は「『何を行なうか』よりも、『なぜ行なうか』を語れ。」この言葉は深く、大事な心構えだとつくづく感じる。

私自身、10年位前までは、レポート、提案書、セールスレターを書く前に、
この本をパラパラと目を通してから書くことも少なくなかった。

「読み手に、どのようにしたら行動してもらえるのか?」を再認識できるし、「共感の物語」を伝える強烈なテクニックを学ぶことができる書だ。

特に企画書、提案書を自分でもコツコツ作成していた10数年前は、このテクニックにかなりお世話になった。販促コンサルティング、販促企画が生業だった頃。自分なりに応用する必要だが、結構大きな案件を高い確率で取り込むこともできた。

再現性のありそうな箇所だけでも、実際にどのように応用・活用したのかをシンプルに記載してみる。

■企画力とは物語のアート
 1つの事業やプロジェクトの理念、ビジョン、戦略、戦術、行動計画を魅力的な物語として語る。
 ・物語の技術
 ・物語の心得

■最高の企画書とは、最高の推理小説
   → 次々とページをめくってしまう

■企画書に世の中を良きものに変える「企み」が必要
 ・「企み」をおもしろく、魅力的に語る
 ・「何を行うか」よりも、「なぜ行うか」を語る
 ・なぜ、そのような「企み」が、必要なのか? 有効なのか? を語る

■タイトル
 ・タイトルをみた瞬間に、「ページをめくりたくなるか?」が重要

※元々あった企画書を見直しをかけ、変更した例

 タイトル    IT時代への対応を図る事業戦略
 サブタイトル  会員制ビジネスの提案
     ↓
 タイトル     一気に先をゆく最強のマーケティング戦略
 サブタイトル  「ビジネスコンシェルジュ構想」をどのように構築するのか?


■最初の1頁
 → クライアントの理念やビジョンを再確認することだけ


■本文のストーリー化
1.社会や市場や企業において「これから何が起こるのか?」を語る
2.「自問自答」のスタイルで「問い」と「答え」を投げかけ、読み手の「思考の流れ」を導き、 「 問題意識」そのものを、どのように持つべきかを提案する
3.自問に対し、3つ(or 5つ)の答えを明示し、それを1つの答えにまとめる
4.3でまとめた答えに対しての現状の課題を3つ(or 5つ)明示し、一括りにした解決策 を提示する
5.4で一括りにした解決策の詳細を具体的に提示していく

※ 箇条書きには、必ず番号をふる
  読み手の思考は、立体的ではなく直線的ということを意識する


後日、このようなテクニックを意識して作成した企画書を解説付で紹介したいと思う。

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