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リゾートの真骨頂・・・3,000mの雪山にガラス張りドームカフェ

3,000m級の雪山に、突如現れたガラス張りのドーム型カフェ。これにはビックリした。
場所はイタリア北部の山岳リゾートのソルダである。
今回はその地で見たガラス張りドームに「流石リゾートの本場だ!」と脱帽したことを書いてみたい。


3,000m級の雪山にある、ガラス張りのドーム型カフェ


ドーム内は、南国ムード
ソルダの全容 
4月なので、麓は春めいているが、上部は写真とおり完全な雪山

時は今から約25年前の4月、私はアルペンスキー選手1人を連れて、ヨーロッパのFIS(国際スキー連盟)スキー大会を転戦した。

私の役目は、マネージャー、運転手 、サービスマン、サポート役、兼雑用係である。つまり、競技で滑走する以外は何でもする「何でも屋」である。

オーストリーでの数戦を終え、次なる目的地であるイタリア北部の山間のどん詰まりにあるソルダに向かおうとした。

ソルダを訪れるのは始めてである。当時は未だカーナビが無いので、頼れるのは地図だけだ。
でも、私は自動車ラリーのコース設定と言う特殊なことを、職業として行ってきたので、初めての国の、初めての場所へでも、正確な地図さえあれば、ほぼたどり着ける能力が身についているらしい。

だから不安もほとんどない。オーストリーでの数日の大会で知り合ったウクライナのオリンピック選手が、私のその能力を感じ取ったらしく、オーストリーからイタリアまで一緒に連れていってくれという。

東洋から来た我々に、地元ヨーロッパの選手が連れて行ってくれとは滑稽な話だが、我々のワゴンカーを先頭に、追随の彼のワゴンカーの2台はスイス国境付近を抜け、一路イタリアに向かった。

山間部のワインディングロードを抜け、ソルダには迷うこともなく、無事到着。ソルダでのホテルは別々に泊まったが、翌日の大会会場で再び一緒になる。
大会コースは、麓のホテルからロープウェイ2本を乗り継いで上がり、スタート地点は3,000mと高い。4月というのに上部は完全な冬山だ。

ウクライナの彼は一人で転戦しているので、何から何まで一人でやらなくてはならず、大変だ。
予備のスキー板や、スタート前のワックス道具、防寒具などを持ってスタート地点にあがり、滑り終わるとそれを取りに再びスタート地点まで上がってこなくてはならない。
一人では大変なので、私が手伝ったりもした。

ウクライナの彼がスタートし、我が日本選手もスタートしたので、私は二人分の防寒具を腰に巻き付け、予備のスキー板を担いで、達磨さんのようになって、ゴール地点まで滑りおりた。
ゴール地点といっても標高2,600mほどあり、そこにログハウスのレストランがあった。

コーヒーで一息入れた私は、外へ出た。すると目の前に半分雪に埋もれたガラス張りのドームが目に入った。

はて、何だろう? と思って中を覗いてビックリした。それは何とカフェバーだったのである。室内にはヤシの木があり、半袖のイタリア娘が、陽気に給仕している。
南国か、地中海のリゾート地なら分かる。でもここは雪山のヨーロッパのアルプス山中。周りは未だ完全な白銀の世界だ。リゾート文化の歴史が成せる業だろう。

その光景に驚くと同時に、これぞリゾートの真骨頂と思った。

私は10代の頃、日本の富山にある北アルプス立山の山小屋でアルパイトをしていたことがある。だから高山の冬山の厳しさを実感している。日本ではまず想像できない光景だ。
でもここでは、リゾートに来た人が、ヨーロッパアルプスの雄大な雪山を眺めながら、エクスプレッソやワインを楽しんでいる。

隠れ家的で落ち着いた雰囲気のあるソルダに、また行ってみたい。

ウクライナの選手とは、ソルダで分かれたが、元気でいることを願うばかりである。


ソルダの上部にて。写真は筆者
高山なので薄い空気対策として、我々は簡易的な酸素ボンベも持参した。

#イタリア 、#ソルダ #スキー #リゾート

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