【米国株】2024年中小型株の見通し

今回は中小型株の今年の見通しについてご紹介させて頂きます。
過去、長期金利の低下期間中に中小型株は大型株に対して優位となる傾向が見られています。
その点、今年はFRBの利下げに伴い長期金利の緩やかな低下が予想され、中小型株優位の展開が想定されます。
 
これは、大型株よりも中小型株の方が金利の影響を受け易いことに起因します。株価は理論的にはDCF法(Discounted Cash Flow Method)と呼ばれる計算式で決まります。現実には完璧にこの通りにはなりませんが、大筋としては、また超長期で見れば、このDCFに即した株価に落ち着く傾向が見られます。
そしてこのDCFでは、分子に企業業績を置き、分母にその企業のリスクプレミアムを反映した割引率を置いて計算します。
そしてこの割引率の中に金利が含まれています。この時、大型株は通常利益が大きくリスクが小さいので、分子が大きいのに対して分母は小さくなり、ここから多少金利が下がっても(すなわち分母が更に小さくなっても)、DCFの計算式に与える影響は限定的です。

一方で、中小型株はその逆で、利益はまだそれほど大きくなく、経営基盤も比較的脆弱なので、分子が小さく分母が大きい関係にあります。従って、金利(分母)の引下げ効果がDCFの計算式全体に与える寄与度が高く、解としての株価が上がり易くなるという関係にあります。
 
次にアノマリーについて触れておきます。
実は、米国大統領選の年は中小型株が大型株をアウトパフォームする傾向が見られるという事実があります。
1980~2023年の全ての年でみると、ラッセル2000がS&P500をアウトパフォームした年は55%(44年のうち24年)しかないものの、大統領選の年はこれが82%(11年のうち9年)まで上昇している事実があります。

 (出所)SMBC日興証券 

尚、S&P500やナスダック100が今年に入って過去最高値を更新してきたなか、ラッセル2000は2月2日時点で過去最高値(21年11月)から2割弱下落した水準にあります。今後、金利が下がっていくことで、こうした小型株が切り返していくことが期待されます。

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