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0ゲートからの使者「22」

魂の計画書


翌朝、頭痛と共に目覚めた玲衣は、のそりと起き上がってキッチンへ行き、冷蔵庫からミネラルウォーターをコップに注いでごくごくと飲みながら、昨夜の記憶をゆっくりとたどっていった。
 
瀬田さんとかなり盛り上がったのは覚えている。
どうやって帰宅したのかは覚えていないけれど、床にコートや服が脱ぎ散らかされている。
 
飲みすぎたことを後悔しながら服を片付けていると、コートのポケットの中から折りたたまれた紙が出てきた。
 
広げるとお店のアンケート用紙だった。
うん?と裏返してみると、数字が書かれていた。
 
瀬田さんが書いた彼女の誕生日であるのを思い出すのに数秒かかった。

こめかみのあたりを中指でぐりぐり押しながら、ベッドに戻り、その紙を握りしめながら二度寝した。
 
昼近くに目覚め、空腹をとりあえず満たした後、玲衣は瀬田さんの数秘のリーディングにとりかかった。

 
 
瀬田さんは、1、3、4、7という数字をメインに持っていた。
各数字の説明は第4回を参照
 
生まれ日(大まかな性質・得意分野)が1
ディスティニーナンバー(与えられる機会や役割)が1
ライフパス(本質、人生の課題)が4
パーソナルナンバー(他者に与える印象・社会的仮面)が7
 
1と4と7の組み合わせは、瀬田さんの人を気軽には寄せ付けないオーラを物語っていた。
非科学的なもの、胡散臭いものは信じない、と言い放ったのも合点がいく。
現実的に生きることを強いられたのもわかる気がした。
弟さんやお母さんのために懸命に頑張っていたのも、弱みを見せまいとしてきたのも。無駄を嫌う点、会社の人間たちを鋭く観察しているところなどもこれらの数字からうなずけた。
 
ところが、心の願望を表すソウルナンバーに3があるのには驚いた。
 
「閉ざす」、「固める」、「律する」という質を持つ他の数字たちに混ざり、唯一、「表に出す」、「奔放」、といった全くエネルギーの質が異なる3という数。
 
でもすぐに、会社では見せたことのないお茶目な表情を思い出し、瀬田さんの中に秘められていた3を玲衣は感じ取った。
親しくなってからの「玲衣ちゃん」という呼び方がいきなり「ちゃん玲衣」になったのも、3のユーモラスで親しみがあるところかもしれないと思いいたる。

 
ところで、他人に見せる顔でもあるパーソナリティナンバーの7は、ある意味ハートの願望3とは真逆の質。
冷静と情熱、大人と子供くらいの質の違いがある。

理念的な7の質が本能的な3の質を制御していた可能性もあり、このようにどこかに質が異なる数字を持ち合わせていると、葛藤を感じやすいのも大いにある。
でも逆に、自分の中にある真逆な質を理解していれば、うまいことブレーキとアクセルのバランスをとることも可能というように、強みになりえる。
 

瀬田さんはずっとこのソウルナンバーの3を出さないようにしてきたのかもしれない
いや、出せない状況に置かれていたんだ
出したら崩れてしまうと、瀬田さん、必死に押し込めてきたのか
だから、3のエネルギーそのもののチカちゃんがうらやましかったのかもしれない
本当はあんな風に自分も振る舞えたら、という気持ちを心の奥底にしまい込んでしまってたの……?
 
 
玲衣は胸を詰まらせながら、瀬田さんのチャートの数字を見つめていた。
 
でもすぐに、夢の中でヤンが告げてくれた言葉、「心をニュートラルにすること」を思い出した。
これらの数字たちが語るストーリーを感じ取っても、それを自分の中に取り入れて自分のものにしてはいけないということ、瀬田さんを気の毒に思ったりしたら、瀬田さんの魂をリスペクトしてないのでは、と気づいたのだった。


あなたのハートの望むものは

現代数秘術はアメリカで体系化されたため、名前のリーディングをするときは、アルファベット表記を用います。アルファベットの文字にそれぞれ数字が割り当てられています。
母音の合計数はソウルナンバー、子音の合計数はパーソナリティナンバー、それらの合計数はディスティニーナンバーと呼ばれます。
 
ここでは、あなたのハートが何を望んでいるのか、どんなことにモチベーションを感じるか等、心の奥底にある価値観を教えてくれるソウルナンバーを見てみましょう。

なんとなく生きづらさや行き詰まりを感じているとき、楽しくないと感じるとき、実はソウルナンバーに示される性質が抑圧されて発揮できずにいることが原因だったりします。

また、この話を引き受けようかどうしようか、それをやるべきかどうか、などの重大な決断をしなければならないとき、このソウルナンバーをチェックして自分のハートがイエスと言っているかどうかを確認するのがよいでしょう。
 

 
ソウルナンバーの算出法


出生時につけられた名前をアルファベットで書きだします。(*パスポートやクレジットカードに記載している綴りを用いる)
その中から母音(A I U E O)を抜き出し、変換表で数字に変換し、一桁になるまで足し合わせます。
出た数字があなたのハートが何を求めているかを教えてくれます。
第4回の数字の説明も参考に

なお、基本生まれたときに名づけられた名前は、その人の終生変わらないベースになる影響力を持ちます。諸事情や結婚して苗字が変わると、新しい名前のエネルギーがベースの質に徐々にプラスされていくと考えられています。ビジネスネームや芸名なども同様です。
 
数字への変換表
A→1
I→9
U→3
E→5
O→6


(例)TOKUGAWA IEYASU
O U A A I E A U
63119513
6+3+1+1+9+5+1+3=29 2+9=11 1+1=2 
 
徳川家康公のソウルナンバーは2、ということになります。
*通常は出生時の名前で見ます
「鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥」や、「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず」の句で知られるように、彼の美徳には辛抱強さがあったのかもしれません。
 
数秘2の持つ代表的な特徴はバランス感覚、維持能力、調整力、忍耐強さなどですが、家康公がじっくりと天下を取ってそれを長続きさせたのもこのソウルナンバー2が影響していたのでしょうか。
 
バランスを重んじるあまり、即断即決が苦手、といったネガティブな傾向もたまにキズでしょう。
ソウルナンバー2は、自分が前に出る、というよりはむしろフォロワー気質、それが行き過ぎると依存傾向が強くなったりします。
 
ただし、2の前の数字がマスターナンバー11という点も考慮すると、11はインスピレーションの数でもあり、感性や天啓、目に見えない世界を大事に思うところがあり、場合によってはためらわず直感で動く、ということもきっとあったことでしょう。
 
次回はあなたのソウルナンバーをご紹介します。


 
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