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「上流階級富久丸百貨店外商部」[3巻]を読んで

「上流階級富久丸百貨店外商部」[3巻]
著者:高殿 円
オーディブル版を読んで

仕事に対しての考え方や自分の生き方について、アラフォー世代の方におすすめの内容です。

シリーズ3巻目の内容は、老舗百貨店の外商という販売のシステム的な話ばかりではありません。主人公鮫島静緒が、担当している顧客の人生におけるさまざまなセレモニーとそのかかわり方まで学べます。

その内容は、百貨店外商部の話とはいえ多岐にわたります。
主人公は、当然百貨店の外商員として、顧客の抱える問題にかかわっています。そこで仕事人間の鮫島静緒は、休日返上で顧客の要望に応えている。

例えば、この小説で初めて知る「エステートセール」もそのひとつ。亡くなった方の家財や不動産などを販売して現金化する遺品整理の一つの方法として知られている。アメリカでは1970年代から一般的に行われている。日本でも「売りたて」といって行われていたらしい。

ある顧客とは、著作権問題の対応をしている。著作権にも、種類があるらしい。著作権の話の中でも、関わってくる弁護士の得意分野の違いによって依頼の選定方法も変わるという。

その他にも顧客のお子さんの中学受験対策、美容整形などさまざまな対応に迫られるもこなしていく。そのバイタリティには感心する。

顧客との接し方も、百貨店の外商員としてだけではない。そこは、接客業の中でもプライベートと線引きの難しい部分がある。主人公は、悩みながらも仕事人間として時間を使っているところがある。

アラフォー世代ともなると、それまでの経験という積み重ねがあります。そのため、後輩世代の見本になりつつ、これから先に自身が「何を目指していくのか」を問われる時期でもあります。

本作品でも、第5章あたりから鮫島静緒の将来の生き方、仕事の関わり方に影響してくる出来事がある。

その後も、主人公や登場人物がそれぞれの考え方のもと面白い展開となっている。

まとめ

今でも、将来のことを考えると不安になる。エピローグで語られている次の内容が今の自分に必要だと感じた。

物事の定義を言語化することも大事。しかし、はっきりと定義を示すことでそれができたか、出来なかったかをせまられたり、争い事の元になる。

無理矢理カテゴライズして定義に押し込んでしまうとバクを起こしてしまう。

そんなときは無理に定義付けせず、〇〇のようなものと考えると気持ちが楽になる。

エピローグより


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