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英国法の豆知識

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ロンドン在住、日英の両資格を持つ弁護士です。現地の法律事務所に出向中で、英国法の実務に携わっています。①在英日系企業の法務に役立ちそうな情報、②比較法の観点から興味深いトピック、… もっと読む
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【英国法】株式会社の組織・運営に関する日英比較#3 ー取締役・取締役会ー

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【英国法】株式会社の組織・運営に関する日英比較#2 ー株主総会ー

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【英国法】株式会社の組織・運営に関する日英比較#1 ー基本的事項、株式ー

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【英国法】対ロシア制裁の現状 ー政府のガイダンスのまとめー

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【英国法】パッシングオフ ー不正競争防止法がない国のブランド保護ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 本日は、パッシングオフ(passing off)について、書きたいと思います。 コモンロー特有の概念であり、聞きなれない単語かもしれません。しかし、パッシングオフは、日本のとある法概念とよく似ています。 海外が関わる法律事務を担当していると、単に言葉の翻訳ではなくて、「日本のこの制度は、この国ではこういう制度に該当します。」といったような概念の翻訳が必要になる場面がよくあります。 パッシングオフは、その一場面だと思い

【英国法】"ejusdem generis"ルール ー「…その他の○○」の解釈ー

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【英国法】TUPE ー事業の譲渡等に関する労働承継法制ー

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【英国法】責任限定条項の有効性 ー企業間契約編ー

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【英国法】ソリシターの独占業務 ー非弁行為規制ー

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【英国法】2024年会社登記実務の変更点 ーEconomic Crime and Corporate Trasparency …

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 本日は、最近のEconomic Crime and Corp…

【英国法】Modern Slavery Act 2015 ービジネスと人権ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 本日は、Modern Slavery Act 2015(以下「MSA」)について書きたいと思います。 「ビジネスと人権」というワードをここ2,3年でよく聞くようになったのではないでしょうか。日本では、2022年9月に、ビジネスと人権に関するガイダンス(*1)が発表され、企業の人権尊重に対する責任を強調する風潮が高まっています。 2015年に制定されたMSAは、強制労働や人身売買について被害者保護と企業の責任を定めた法律