見出し画像

#101|「復活の呪文」はメモしておくこと

note365日連続投稿チャレンジ101日目。連続日数3桁に突入したとたん、スイッチが切り替わったように肩の力が抜けて驚いている。「スラスラと書けそう」な感覚。このことはまたまとめたい。

突然、絶不調に突入した日

先日のこと。仕事関係の方から新しいオーダーをいただき、新規サービスの提案をすることになった。自分にとっては「これが仕事になればめっちゃおもしろいな!」と思えるタイプのものだったが、また別に、実施するのが初めてのタイプの仕事でもあったためか、喜びは束の間、一気に不安と憂鬱が襲ってきた。

それはめずらしいくらいに急激で強い不安感で、帰宅してから何も手につかなくなった。提案書を作らなければと思うのだが、イメージ的にも論理的にも頭が動かず、著しくIQが下がっているのがわかる。目の前のA4メモ用紙にはいつになっても一文字も書かれることなく、無限にSNSを回遊する逃避行動が何時間も続いた。

そうしてどんどんエネルギーが落ちていき、日課はすべて置き去りにしたまま、他者との予定だけはこなすが(その時は気持ちが切り替わって普通レベルに元気にはなる)、終わるとまたどん底スイッチが入るという形で、「自分は起こる現実に対応できる力をもっていないのでは」というような感覚になっていく。

日数にすれば3日間程度のことだったのだけど、その渦中にいる間はものすごい時間が過ぎているように感じられた。何かの扉を開けてしまって、気づかない内にどこか別の次元に飛ばされたような感覚だった。同時に、自分には何もできることがない、実行能力がない、という思い込みが確信レベルで湧き上がる。

このレベルの落ち込みは昔はあったが近年ではめずらしく、しかしいつになっても起こる時は起こるのね、と思える体験だった。

そうした気持ちで「次の打ち合わせまでになんとかしないといけない」という状況のまま時間は進み、ついに打ち合わせまであと5時間となった時点でも、気力なくうつむいて床に座っている状態だった。


復活の呪文

以前に、「精神的に健全な状態を保つためには5つの要素を実行することが大切だ」という記事を書いた。

内容は「①睡眠、②食事、③運動、④掃除・片付け、⑤現状の把握」だ。前3つは基本的な必須事項として多くの人に言われるが、後ろ2つはあまり「必須扱い」はされていないと感じる。しかし、個人的にはこの「5つ」が整ってこそ心身共に、とくに精神的に、パワー溢れる状態になるという実感がある。

そしてこの5要素の中でも、なにはともあれ「現状の把握と運動」が優先と考えていて、今回の不調でもこの知識はあったため、運動しようとしたり紙に書いて現状を把握しようとは試みた。

しかし。エネルギーがなさすぎてまったく実行できない。ウェアに着替えてヨガマットの上には移動しても、そこから40分間、SNSを見るかふさぎ込んでいる、という感じで運動は諦めた。もう異常なほどの落ち込み。

そんな手も足も出ない状態で、床に座っていた打ち合わせの5時間前。ふと「床に散らばっているレシート」に目がつき、それを片付けてみた。

この鬼のように些細な「実行」が、「回復の起点」となり、「レシートの記録→保存袋に片付ける→机の上を片付けて→床に散らばっている服も片付ける」と動いた時には、もう自分の心の中に力(現状をなんとかできる実感)が戻ってきていた。その後には、ガッツリとHIITトレーニングをし、タンパク質たっぷりの食事を取った。これで完全回復。

ふりかえるとあきれるほど些細な行動、私の復活の呪文は「超小さな規模・範囲の片付け」だった。しかし、それが「自分には主体性を持って現実に介入できる力があるのだ」という実感を、まずは小さく取り戻してくれた。

種火のようなそこから、ちょっとずつ大きなものに繋げていくことで戻ってきた「自分に現状をなんとかできる力がある」という実感こそが、ポジティブに活動するための最初の鍵になる。これを失っていると力は使えない。

落ち込んでいる時、自信を失っている時、不安な時。まずやることは、「自分が現実に対して、力を持って介入できるのだ」と実感できる行動だ。実行可能なソレであればなんでもいいと思う。私は小さな片付けがそれに当たるが、何がやりやすいかは人それぞれだろう。

こうして無事に復活した私は、一気にパワーを発揮して用意を進め、結果的に打ち合わせは楽しく完了できた。こうした「挫折から復活」という経験は、次の挫折時に「自分を信じる」材料になる。

ということで、めでたしめでたし。で終わってはいけない。いけないというか、それは非常にもったいない。


「メモしておく」大切さ

問題が「解決してよかったね」で終わると、次にドツボにハマった時にまた同じ行動を取りかねない。今は「そんなわけねーだろ」と思えても、不調時にはIQは下がるのだ。思い出せると思わないこと、思い出せてもソラで実行できると考えない方がいい。

次にこんなことが起きた時には速やかに復活できるように、細かい実行手順を残してレシピを用意しておくべきだ。

そのことの重要性を、打ち合わせから帰って偶然読んだ「タスクシュート開発者の大橋悦夫さんの記事」から気付かされた。

プログラムのコードを書くことと、これを実行することは同時には行えないので、おのずとシングルタスクになる。

1.コードを書く
2.実行して動作を確認する
同様に、仕事についても、

1.手順を考えて書き出す
2.手順に沿って手を動かす
という2つに分ける。

これを徹底すると、手順のストックが増え、考えなくてもできる仕事が増える。

プログラムのコードを書くように仕事をする|大橋悦夫

こちらを読んだ時、今回の私の不調も抽象的に見れば同じことだ、と感じた。そして「復活の手順を残して置かなければ再発するぞ」と思ったのだ。

あやうく自分が不調だったことも、不調からどうやって復活したかも忘れ去るところだった。いそいでメモに残し、「精神的に不調になったら見るメモ」というタイトルをつけてすぐに目につく場所に保存した。

このメモを残したから、この出来事を俯瞰して見ることができ、人にシェアのすることができ、こうして記事にすることもできている。

やっぱり「『記録』は偉大だ」と思いながら、「PDCAを回す」ことがどれほど人生に重要なことかをめっちゃ感じた出来事であり、それを感じさせてくれた大橋さんの記事だった。

この「復活の呪文」をメモしてない未来とメモした未来では、生まれ得るロスの差は圧倒的だ。

大橋さんが書いてくれているように、
「これを徹底すると、手順のストックが増え、考えなくてもできる仕事が増える。」
この「考えなくてもできる仕事」の数が、メモしている人といない人では桁単位で違うだろうなと感じる。

「メモはとっているけど有効に感じない」という方は大橋さんの記事を読むか、ご質問ください。レシピ化する≒考えなくても実行できる細かさで動作と順序をメモするのがポイント。

こうした些細な出来事が、チリも積もって生産性や物事の実現力に甚大なる差をもたらす。大橋さんに敬礼して眠りにつきたい。


✑55分|2900文字

この記事が参加している募集

#振り返りnote

85,757件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?