#413C|非定型発達の苦しさは寺で座禅を組むことで緩和される

お気に入りのお寺がいくつかある。その中には無人のものもあって、とりわけその無人のお寺で、1人、座禅を組んで静かに過ごす時間はすこぶる回復する。至福の時だ。

先日ひさしぶりに、そんな時間を取りにお寺に向かった。TCCというタスク管理ツールによると、ここを訪れたのはなんと昨年の5月12日以来らしく驚いた。今年も何度も来た気でいたが勘違いなのか。

たしかに、辰年の切り絵はその日初めてみたから、やっぱり1年ぶりだったのかもしれない。

最近は心にもやがかっている時間も多く、スッキリしたいなあということで向かったのだが、30分ほど座っているだけで心がスッと晴れて静かになった。

これほどの静けさは久しぶりで、こんな状態になれるのはADHDの薬を飲んだ時か、この寺で座禅を組んだ時くらいなもんだ。その効果たるやドラッグ級ということだ。

(なおADHDの薬は副作用バチクソ出るので捨ててから以後は1度も飲んでない)


私の生きづらさは「集中する必要がある対象に注意を向け続けることができない」ことによって生まれている。

その原因は、ADHD、HSP、共感覚と、名前をつけて呼ばれているものをあげるなら、これらの特性から来ているといえる。これらが暴走している時、生活の難しさや苦しさが生まれる。

大げさな名前をあげたが、私は「明らかに見てわかる」ような重度な症状ではないので、普通に生活できる、それは有り難い。ただ逆にめんどくさいのは、はたからは理解されないことや、猜疑心を持たれることだ。

自分の感覚では、私は1人で生きていける健常者レベルと、サポートを要するレベルの境界近くにいるような気がしている。以前、パートナーから「10歳の小学生男子を世話しているようだ」と涙をこらえてガチギレされた時はこちらもショックだったが、私は真面目に努力していてもどこかしらの生活能力が10歳児並なところがある。


それでも。年々どんどん自分のまずいところをコントロールできるようになってきていて、健やかさは増している。これはもう努力の賜物だ。

しかしなにせ「コントロールしなければならない」という時点で常時消耗はしているわけで、疲れた時にはそれも無理だ。

そうして常にこうしたものをコントロールしようとしているため、よく寝込むほどに体調を崩すのだろうと思う。


自分がこうした部分に困難を抱えているということを自分自身が忘れてしまうと、ミスをした結果だけを見て自分を責めたり、無理な計画を実行しようとして失敗する。

自己理解をおろそかにして見積もりを甘くとり、自分の個性を無視して無理な目標を持ち、理想の思い込みや計画だけが先行して失敗するのだ。そうして「こんなこともできないのか」と自分を責めてしまう。

でも、できないんだよ。それがオマエ(私)なのだよ。ということを常に自覚しておくことは、悲観的でなく現実的な自己理解であり、自分に対するやさしさだ。


今回お寺で座禅を組んでいてこういったことに気づき、ついつい自分はなんでもできると思っちゃっているな、とあらためられた。

現実を見てちゃんとケアしてあげねばと自分にやさしくなれたと共に、また別に自分の持っている思い上がりや傲慢さにも気づいて、謙虚な気持ちにもなれた。できないことを嘆くのは傲慢さから来ているのだが、なかなかそこに気づけない。

こういう場(お寺)では、やっぱりそのようなことに目を向けられる。自身を省みて戒めることのできる機会を与えてくれる。あいらぶ寺。

余談だが、TCCがこんな私にとってすこぶる有効なのは、ツールの機能的にADHDやHSPの症状を緩和できるからであり、発生する共感覚も逐次言語化して残せることで、そうしないよりも早くにその感覚を身体から手放すことができるからだな、ということも思った。


「寺はいいぞ」と言いたかっただけで書き始めた記事が、なんだか重めな内容になってしまった。まあ、いいでしょう。


p.s.

私は自分がADHDだのHSPだの共感覚だのという話はできるだけしたくない。(共感覚はけっこうおもしろいと思うのでまだいい。以前にも記事に書いた)

そもそも誰にだってそういうところはあるし、そういう単語を出すことでなんだか言い訳をしているようにも、自分は特別だと主張しているようにも、感じられるからだ。

しかし、実際に病院で発達障害の診断が出ていることは事実、生きづらさをいつも抱えていることも事実で、そのことを認めない方が、隠す方が、もっとできるだろうと自分に厳しくする方が、生活上にネガティブな影響が強いこともわかった。

そのためなるべくフラットに、ただ事実として共有するということ、自覚しておくということを心がけている。こういった特性があっても、周りと調和して過ごしたいし、よりよく生きていきたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?