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小池都政 虚像と実像~第2部 組織・政策の研究

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都政新報2020年2月7日号から3回にわたり掲載された連載「小池都政 虚像と実像」第2部をまとめました。今回は小池都政の組織・政策に焦点を当てています。
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記事一覧

小池都政 虚像と実像~第2部 組織・政策の研究(下)/都庁文化/組織に「思考停止」の危機感

【都政新報2020年2月18日号】

 ヘルメットをかぶった小池知事は地下に降り立つと、満足そうに担当者の説明に耳を傾けた。16日、環状7号線地下の広域調節池(中野区)。二つの調節池を延長5・4キロのトンネルで貫く工事現場の視察だ。完了すれば洪水を貯留する機能を融通でき、時間100ミリの局地的豪雨にも効果を発揮する。

■成果までの時間
 豪雨対策に対する知事の関心は強い。2017年10月、パリ。

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小池都政 虚像と実像~第2部 組織・政策の研究(中)/全方位外交/八方美人だけでは済まぬ

【都政新報2020年2月14日号】

 「熱い思いはしっかりと受け止めさせていただく」。2017年2月、都庁で行われた市町村長との意見交換。小池知事は多摩都市モノレールの延伸について、「悲願」とする藤野勝武蔵村山市長に対しこう語った。
 結果、20年度予算案では多摩モノの箱根ケ崎方面の延伸に向けた調査費を初めて計上。同線は国の交通政策審議会答申に位置づけられており、都が整備基金を積み上げている6路

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小池都政 虚像と実像~第2部 組織・政策の研究(上)/意思決定/権限凝縮、指揮系統にゆがみ/外部の顧問団は退場したが…

【都政新報2020年2月7日号】

 知事日程は、過去の都政では想定できないほどギッシリ組まれている。週末も現場の視察や面会、式典といった行事が目白押しだ。2月に予定していた訪米は、新型コロナウイルスの対応で延期した。昨秋の台風被害に伴う中止に続いて再度のキャンセル。危機管理にも抜かりはない。
 週2回の登庁が批判された石原知事や、外遊が辞任の発端となった舛添知事─小池都政はこうした過去の失敗を教

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