小池都政 虚像と実像~第2部 組織・政策の研究(上)/意思決定/権限凝縮、指揮系統にゆがみ/外部の顧問団は退場したが…

【都政新報2020年2月7日号】

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 知事日程は、過去の都政では想定できないほどギッシリ組まれている。週末も現場の視察や面会、式典といった行事が目白押しだ。2月に予定していた訪米は、新型コロナウイルスの対応で延期した。昨秋の台風被害に伴う中止に続いて再度のキャンセル。危機管理にも抜かりはない。
 週2回の登庁が批判された石原知事や、外遊が辞任の発端となった舛添知事─小池都政はこうした過去の失敗を教訓として生かしているように見える。

■補佐官と「V0」

 その夜の小池知事は、とにかく愛想が良かったという。会場の都庁職員食堂にやや遅れて姿を見せてからテーブルを回り、ほろ酔いの管理職らの日々の業務の話に耳を傾けた。総務局から各局に通知された「懇親会」。職員との距離を縮めるためにセットされたとの見方がもっぱらだった。
 「最初は職員を信頼していなかった小池知事だったが、本人なりに組織を取り込もうとする姿勢はあった」。ある幹部はこう指摘する。人気絶頂の滑り出しから2017年の衆院選で国政進出を狙ったものの、世論の風向きが反転し、支持が急落してからのことだ。

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