小池都政 虚像と実像~第2部 組織・政策の研究(下)/都庁文化/組織に「思考停止」の危機感

【都政新報2020年2月18日号】

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 ヘルメットをかぶった小池知事は地下に降り立つと、満足そうに担当者の説明に耳を傾けた。16日、環状7号線地下の広域調節池(中野区)。二つの調節池を延長5・4キロのトンネルで貫く工事現場の視察だ。完了すれば洪水を貯留する機能を融通でき、時間100ミリの局地的豪雨にも効果を発揮する。

■成果までの時間

 豪雨対策に対する知事の関心は強い。2017年10月、パリ。「希望の党」を立ち上げて国政進出を試みた直後、小池知事は公務で海外出張していた。環境対策を話し合う「C40」会議に出席するためだったが、滞在中に絶えず気にかけていたのが、降雨状況を色分けで表示するウェブサイト「東京アメッシュ」だ。折しも首都圏に大型の台風が近づいており、国政進出に対する逆風の中、知事不在の合間に被害が出れば、批判が強まるのは目に見えていた。

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