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王子様は迎えにこない

子供の頃読んだ童話は、どれも、主人公が苦難を乗り越え、王子様と結ばれる結末だった。
お姫様はいつも最後に救われて、幸せに暮らしてた。
だから、小さい頃はそうやって夢を見てれば、誰かが手助けをしてくれて自然と叶うものだと思っていた。

いつ頃だろう。成長するにつれ、自分の夢を馬鹿にされることが増え、夢は夢でしかなくて、叶えられていないから見ることのできる恥ずかしいものだと思うようになった。
誰も手助けなんてしてくれないし、待っていたって王子様は来ない。
なりたいものになれるとは限らないし、夢を叶える人間は一握りだと気づいた。

ついに、誰かがわたしを見つけ、救ってくれるなんてこと無いまま成人してしまった。
いまや周りも、なりたかった者、やりたかった事を諦め、人生に折り合いをつけて生きている人が大半だ。

わたしもこうやって年を重ねていくんだな…
そう思った時、悲しくなった。
"本当にそれでいいのかな、それで幸せになれるのかな"と強く思った。

あらがいたいと思った。
今の活動もはじめは、アイドルになりたくてもなれなかった自分が、悪あがきとして始めた活動だ。今は、別の道で輝ける方向性を見出したし、今の自分もとても好きだ。それでも、アイドルに対して未だに未練はあると思う。
根本は、欲しいと思ったものは手に入れたい、負けず嫌いな所は昔から変わっていない。
かといって、今から『アイドルをやりますか?』と言われたらすぐにYESとは言えない。
今のわたしには、大事なものが多すぎる。何かを取捨選択して捨てるなんてできないし、全てを欲してしまう。

感情が矛盾している。きっと、他人から見て、それらがわたしに芯がない、中途半端、軸がぶれていると見える要因なのだと思う。


でも、誰でもできる取捨選択して幸せになるなんて道歩みたくない。どれも全部は叶えられないかもしれないけれど、少しずつ自分の納得できるまでは叶え続けたい。
もう、童話のお姫様のように誰かに見つけてもらうのを待ってなんていられないし、お話がハッピーエンドに向かってとんとん拍子で進むなんてことない。
自分の力で人生の舞台を作らなくてはならない。辛いかもしれない。
いや、もう既に辛い。

でも、人生意外とどうとでもなるし、転んだ方の道を楽しめばいい。
だから、もう少し頑張ってみようと思う。

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photo : 晴(Instagram)(Twitter)

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