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すきが増えたはなし

 最近、とても良質なすきを摂取している。
 わたしの好きなもの、物質、生物、精神。
 すきなものというと何故だか、いつの間にか恋愛ごとに変換されてしまいがちだけれど、いかんせんそういうものはない。別に欲してもいない。
 そう、欲してもいないのに、いろいろな好きはわたしの周りにあって。いや、急にできたわけではなくて、ちゃんと知ろう知ろうとした結果、ちゃんと好きになったのだと思う。知ることってすてきなところもあるね。

 日常の中には仕事がほとんどの時間を埋めているので、仕事もその調子で好きになれたらいいなと思うけれど、そううまくはいきません。相変わらず会社は好きになれません。馬車馬のように働かせたいのなら、愛される努力をしろ。

 関係ない話になってしまった。

 そもそも、今わたしが好きなものは好きになるつもりもなかったのだけれど、知れば知るほど……という具合に惹き込まれてしまったものです。
 ずいぶん昔から変わらずに写真やカメラのことは好きだし、それも変わらず私を深い深いところにいざなってくれている。それとは別のもの。
 語ることは多くしないけれど、久しぶりに私がほしいものをたくさんくれるものに出会えたような気がしています。

 「こうだったらいいな」という身勝手な理想や願望を、たくさん叶えてくれるものはとても居心地がよくて、そしてその身勝手なわたしをこんなにも許してくれているような気がして(もちろん、勝手な感想ですが)、ほんとうに今は日々が忙しく楽しいです。

 「すき」だなと思うことは、幸福なことです。それは無機物でも有機物でも、精神であっても。そして「すき」にさせられる何かが存在することは本当に幸福ですね。だってわたしの意志が少し許されたような気になるもの。

 わたしはきっと好きなものに対して、ずっと言葉を送るのでしょう。

 好きにさせてくれたもののこと、ほんとうに大好きなんですから。

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