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【油揚げ】が主役に昇格して、私にとっての至福の時を演出してくれた逸品・・・

スーパーマーケットでフト油揚げが目に止まる時がある。
買い忘れが無いようにメモしていた購入予定リストに載っていなければ、目に止まってもそのまま通り過ぎるのが常だ。
だが、その日の体調や感性によるのかよらないのかは知らぬが通り過ぎず、棚から油揚げを手にする時がある・・・。
「久しぶりに味噌汁に入れてみるか」
「細く切ってフライパンで焼いて醤油と七味でツマミにするか」
「納豆を詰め込んで焼いて醤油掛けたら美味しいツマミになるな」
など、その場で自分に言い聞かせる。

そうやって買い物籠に加えられた油揚げ、所詮は脇役というか飛び込みの食材だから、購入予定リストに載っている主役級の食材に混ざってその存在は忘れ去られていく。
家に帰ってもその存在が主役級に躍り出ることは無い。

買い物をしてから数日が過ぎた頃、冷蔵庫の中に油揚げを発見した。
他の主役級が減ってきて必然的に油揚げが目立った結果だ。

さて、どうしようかな・・・?
今から味噌汁の具とかお酒のツマミに使うだけでは使い切れないな・・・。
との独り言が頭を駆け巡る。
さて、どうしようかな・・・?と再度呟きながらふと目を上げると、そこには玉子が並んでいたのだった。
玉子を見た瞬間に、油揚げ、出汁の効いた煮汁の卵とじ・・・が頭に浮かぶ。
親子丼の親を油揚げに変えたら、それはそれで美味しいだろうな・・・と。
方針が決まれば動きは早い。

顆粒の出汁に醤油、味醂、砂糖で私好みの濃い目の味付けにして、先ずはタマネギを煮て頃合いを見てから一枚を8等分の長方形に切り分けた油揚げを投入。
油揚げにたっぷりと煮汁を染み込ます。
この時点の油揚げだけで酒が進むハズ。
タマネギ、油揚げにしっかりと味が滲みたところで、溶き卵を回しかけて出来上がり・・・。
甘辛い匂いが堪らない。

本来ならご飯が進む一品なのだろうが、その日はお酒のアテにしたかったので、ご飯はごく少量にしてご飯の上に盛り付ける。
玉子でしっかりと包まれた油揚げとタマネギを箸にとって口にする。
その瞬間に甘辛い汁が纏わり付くトロッとフワッとした玉子を感じ、噛みしめれば煮汁の旨味をたっぷりと吸った油揚げからジュワーッと煮汁の旨味が滲み出て油揚げからの脂の旨味と融合していく。
旨味を口中で充分に楽しんでからゴクンと飲み込んだ後から、全ての旨味の余韻をギンギンに冷えた芋焼酎が身体中に行き渡らせてくれる。

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