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個展『New Dawn Fades』後日談(SMARTHOLDER)
今回の個展ではSMARTHOLDER様にご協力頂きまして、2点のNFT作品を展示することができました。
2021年にNFTに関心を持ったときには、フィジカル作品を扱うコマーシャルギャラリーでNFTアートを販売することは非常に難しく諦めざるを得ませんでした。この点は今もあまり変わらず仮想通貨での取引やギャラリーのキャッシュポイント、顧客対応から会計処理など多くの解決しなければならない事柄があります。こうした問題を「解決」ではなく「問題自体を消去」してしまうツールがSMARTHOLDERのデジタルアートフレームでした。
今回展示した作品はこのデジタルアートフレームにPixel数、アスペクト比を合わせて制作しました。またディスプレイの特性に合わせて色調整を行うなど、プリント作品とは異なる仕上げを施しました。
デジタルアートフレームにはブロックチェーンに書き込まれたNFT(ERC-1155)と作品画像が表示され、ユーティリティとして作品画像をそのまま(プリント用のいわゆる入稿データ作成の処理はしていますが)にプリントして、並べて展示いたしました。これはプリントとディスプレイでどのくらい見え方が違うのかを、できるだけわかりやすい形で提示する目的がありました。特にサイズ(仕上がり寸法)の違いは言葉で説明しても実感を伴わないことが多く、同じサイズのデータがプリントとディスプレイで仕上がり寸法が大きく違うことを感じて頂ければと考えたのです。
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余談ですがカメラの画質や画素数について、「A1までなら綺麗にプリントできる」などの見解を目にしますが、Pixel実寸でプリントサイズを計算すると4200万画素でほぼB3(364mm × 515mm)程度のデータサイズになります。
展示中には多くの方が関心を持ってくださり、2点ともNFTコレクターの方ではない方にご購入頂けたことは、NFTアートとフィジカルアートを繋ぐ何かをしたいと望んでいた僕にとって、ほんとうに嬉しいことでした。かつてのブームが去った2024年に、ディスプレイ作品をアートとしてコレクションして頂ける可能性を提示できたことは「写真の本体はデータでありプリントはその派生物である」と仮説を立てて制作に取り組んだ半年間の最大の成果だと思っております。
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このSMARTHOLDERのデジタルアートフレームは、(当然ではありますが)真っ暗な空間でも、むしろ暗いところでより美しい見え方をします。
この特徴を活かした作品を数点制作に取り掛かっていますので、また機会がありましたら是非ご覧頂きたく思います。
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