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ラクロス人 Vol.1 じょーぶ(本田丈武)

自分の周りの人について書いてみたいと思います。これまでラクロス界の人の魅力について少し触れたので、具体例という意味でも是非皆さんに知って欲しいです。ラクロスというスポーツは、かなり「人となり」がプレーに出ると思うので、その「人となり」を知った上で試合を観て頂くとより一層お楽しみいただけると思います。


トップバッターはみんな大好きじょーぶ君。じょーぶとは大学時代、共に副将を務めた仲で、今ではクラブチームStealersの良きチームメイトです。スティ(Stealers)では背番号5番(大学時代は背番号9番)、DF(ディフェンス)の選手です。

学生時代のあだ名は「馬」。馬のように縦横無尽にフィールドを駆け回る選手で、馬のような走り方をします。どこか動物的で落ち着きがなく、放っておくとずっと喋っています。彼の話は独特で面白く、ツッコミどころ満載にも関わらずどこか本質を突くようなものが多いです。この「じょーぶ節」は鬱陶しさと心地よさが混ざり合っていて、でもやはり心地よさが勝る、という特徴があります。「じょーぶ。うるさい。」「じょーぶ。静かに。」というのが定型のツッコミなのですが、本当に黙って欲しいと思った事はあまりありません。

とにかく変わっていて独特の感性を持っているものの、謎にしっかり者でみんなから頼られる存在でもあります。特に学生時代は、150人規模の大所帯をまとめるに当たって、彼の人望がもたらした影響は計り知れません。チームの方針や、組織について、じょーぶと話すことが最も多かった気がしますが、いつも自分とは違う視点で物事を捉えていて、ハッとさせられることが多々ありました。実は結構頼りにしていて、noteの投稿をする前にじょーぶにチェックしてもらったりもしています。

素直な人であるというのも彼の特徴の一つです。割と思ったことをすぐ口にするタイプで、痛烈なことを言うことも多いのですが、彼のキャラクター故に揉め事に発展する事はありません。スティ入団時には、たっちさん(DFの大先輩)に「スティは甘いんすよ!」と食ってかかったのも、今では良い笑い話です(結果出てないので笑い話ではないですね)。


ラクロスへの取り組みでも「真っ直ぐ」な人です。彼は元々得点シーンに憧れ、AT(アタック)を志望していました。2年時には自分と共に、DMF(ディフェンシブ・ミッドフィルダー)として出場していましたが、「いつかオフェンスでも出場させてもらえるように頑張ろう」とお互い鼓舞しあっていたのを覚えています。

しかし、順調に上達していた大学3年次に手首を負傷。それをきっかけに自身と向き合ってかなり考えたようです。怪我のこと、自分のこと、そして何よりチームのこと。特に自分たちの代は、ディフェンスに弱点がある、という共通認識をチームとして持っていました。何かのアクション、きっかけがないとまずいのではないか、と誰しもが思い、それを口にしていたものの、大きな行動を起こす人はいませんでした。この状況と自身の状態を踏まえ、彼はDFに転向。正直、彼の決断には震えました。どれほどオフェンスに拘りを持っていたか、よく知っていたからです。

今でこそDFの選手としてDS(全国強化指定選手団)にも選抜され、日本を代表するDFの選手としての階段を登っていますが、決断した当時はDFで活躍できる保証などなかったわけです。しかもオフェンスの選手として順調に成長し、試合にも出場していました。そんな中での決断であった故に、チームにはとてつもない効果をもたらしました。

結局、じょーぶに刺激を受けてか、他のDFの選手たちも大きく成長。最終的には「攻めるディフェンス」という新たなディフェンスシステムを作り上げ、大学選手権優勝に大きく貢献しました。シーズン序盤にディフェンスが弱点だと思われていたのが嘘のように、シーズン終盤は強固なディフェンスシステムが出来上がっていました。もちろんこれらはディフェンスリーダーであったゼキ(石関航平。今はラクロスと距離を置いていますが、いつかラクロス界に戻ってくると信じています。)はじめ、多くの人によって作り上げられたものですが、じょーぶの決断が最初の大きなきっかけとなった事は間違いありません。

彼の「真っ直ぐ」な姿勢はチームとしての成長を大きく支えました。一選手としても、腹を括り、とんでもない成長を見せた彼の背中に影響を受けた人も多いはずです。自分もその一人です。また何かのタイミングで急成長してくれるに違いありません。


とまあ褒めちぎってみましたが、やっぱり変な奴です。

じょーぶ、いつもありがとう。これからもよろしく。

(ちなみにこの投稿もチェックしてもらっています。)

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