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「インバウンド100」 Vol.5 雪国をマネジメントする旅籠の主

DeepJapanでは日本を元気にするために、インバウンドの支援をしています。観光業界に足を踏み入れて8年、事業で関わる素敵な仲間の取り組みを紹介することを通じて観光業界に貢献できるのではと思い立ち100人インタビューを始めることにしました。
Vo.1~3まではリレー形式でインタビューしていましたが、新潟県観光協会の仕事で雪国観光圏にお邪魔する機会があり、代表理事の井口智裕さんにryugonを案内してもらいながらお話を聞きました。

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100年先まで雪国を続けるために活動されていると聞きましたが、とにかく、ryugonの空間がスゴイですね。写真や動画で見ていても心を鷲摑みにされますが、現地に来ると質感が段違いです。築200年の建物自体が持つ力、モダンなリノベーション、心地よい照明と音楽、この空間の良さを大切にするための程よい距離感。個々に良い要素が言うのは当然ですが、それが溶け合ってより高いレベルに昇華されているように感じます。この空間を創るに至った発想と行動のベースにあるものを教えてください。

ありがとうございます。私たちが伝えたいのは、雪国文化。文化という言葉を聞くと、保存の側面で捉えられがちで、「古臭いものを守っていても、新しい旅行者なんてこないよ」って反応される地元観光関係の方は多い。

私たちの考えは、昔の文化を守っているだけというのは単に「遺産」であり、「文化」という表現を使うためには、それは現代の生活に活かされて、再現されて、未来に繋がるように仕立てていくべきものと考えます。200年前の家屋を移築して、現代に合うよう大規模リノベーションすることで、冬寒くない、居心地がいい空間を創った。これが雪国を現代に合わせて再解釈をした姿なんです。

空間全体も素敵ですが、細部を構成するインテリアにもこだわりとテーマを感じます。

インテリアは雪国の丸みの形状を帯びた家具になっています。手仕事で削っているので思わず触れてみたくなる形状のものや、ハイスツールもかまくらの形をイメージしています。この白い囲炉裏は未来の雪国です。

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インバウンドが再開し、今後多くのフランス人やスペインの方がryugonに来た時に、この未来の雪国の囲炉裏にインスピレーションを受けて、フランスの今度新しく造る邸宅でryugonの囲炉裏を再現しようってなってくれたら嬉しいと思っている。未来に向けて文化を継承していくことも視野に入れています。宿や地域が独特の文化や雰囲気を持っていることが大事なんです。
そして文化を現代に生きている私たちが利活用しているかが大事です。子供たちにとって未来がある夢を持てる、というところが観光事業をやる者としては大事な観点です。

それにしても欧米のインバウンド旅行者からryugonが評価されているポイントはなんなんでしょうか

海外のホテルやリゾートと比較したとき、日本の地方旅館に欠けているのが、広いパブリックスペースやラウンジなんです。外国の方が喜ぶのはラウンジので滞在です。温泉旅館だとラウンジが狭いし暗いところが多い。まずラウンジがあることで長く滞在ができる。2泊3泊する時には、ラウンジで自由に過ごしてもらう。土間で雪国の郷土料理を体験してもらう。自転車に乗って自由に地域を活動してもらいます。

このラウンジなら永遠にくつろげそうですね。ホテルに泊まるというよりryugonという第二の家に、一時的に暮らしてるくらいの落ち着き感があります。

またここにあるバーもポイントです。海外ヨーロッパ行くとホテルには必ずバーがある。だいたい軽くお酒を飲んでから食事をとりに街に出かる。常にバーが旅の窓口であり、宿と客の接点です。ウィスラ―やチロルにも行って彼らの旅行スタイルを見てきましたが、スキーが終ったあと、日本人であればすぐに宿にいって、温泉に入る。しかし彼らはスキー靴のままビールが飲みにいく。たい。それくらいバーが大事なんです。

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また今後、日本人の旅行者も旅先での過ごし方はだんだん欧米のスタイルになると予想してます。そこへの備えとも言えます。古くからある雪国文化、旅館としての龍言と新しいモダンなryugonのハイブリッドであることを大切にしてます。200年前の暮らしをそのまま設えた客室もあれば、プライベートキッチンがあるヴィラスイートの客室も今年新たに造っている。この客室にシェフを招聘し、料理してもらう使い方を想定してます。どれくらいそういう使い方をする人がくるかはわからないけど、そうしたことを望む富裕層の方が来ても満足してもらえるように未来に向けて準備を進めているというのが正直の感想です。

海外の文化や未来に向けての視点、雪国文化と旅館龍言という縦糸・横糸が織り上げられてryugonができたんですね。この雪国文化を地域創りの中心に据えた経緯を教えてください。

今までの観光地は、コンテンツを持ってきて、そこにストーリーを付け足してセールスをしてきました。スキーを売る、世界遺産を売る、といったコンテンツを主体にしてどう売っていくかに主眼がおかれています。それに対して雪国観光圏ではまずは地域ストーリーやブランドコンセプトを設定し、そこにあうコンテンツをセレクトしながら、地域としてどのように世界観を表現していくのかを意識しています。まずはこの地域の共通のアイデンティティや価値観は何か?それが雪国文化で、その雪国文化の中にコンテンツをそろえ直すということをやりました。雪国観光圏には7つの市町村があります。市町村ごとに考えると、〇〇は▲▲の街だと色を付けたがる。もちろんどの地域も自分の街を盛り上げたと言いたい。これも悪くないが、世界と戦うとなると一貫性のストーリーが欠けてしまうのは大きな欠点です。
仮にスキーというコンテンツだけを中心に地域づくりを考えると、日本には、白馬もニセコも、世界にはウィスラーもチロルもある。そんな中で日本のパウダーは良い。湯沢のスキーは特別。といっても、スキーで世界一になれるのか?例えば新潟ではコシヒカリや地酒が有名だからといって、それは世界的に価値あるものとしてたたけるのか。まずは一旦自分たちの強みだと思っていることを世界レベルで俯瞰してみることは観光において重要な視点だと思います。いくら良くても世界が取れるのか?世界には米を食わない人もいる。

たしかにインバウンドでは日本人向けのブランドコンセプトが、世界に通じないことはよくありますよね。世界の競合との比較や、海外の人の好みにフィットするかは別問題です。

雪と共生した文化なら世界と戦える。7つの市町村でワンメッセージで伝えれば、いけると確信をしていました。縄文、マタギ、里山、田園風景など、観光圏内にある雪国を再編集して世界に伝えています。これが最大のイノベーション。冷静に考えるとこっちのほうがいい。

雪国と言っても春や夏に来たら雪を感じれないと思われるかもしれません。雪がなくても雪国を感じれるように、このソファーは「かまくらのように籠る」という体感できるようにしているし、テーブルも雪が積もった時の感じを表現しています。

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もちろん雪の時期は、雪国の暮らしがわかるようにあえて除雪をしないで雁木という軒先を通りながら移動できるようにしています。

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お客様の便利のためにすべて除雪することもできるが、こんなに高い雪の壁ができるところで生活をしているのか、と雪国の暮らしを肌で感じてもらえることが価値なんです。

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冷静に考えるとそうなのですが、現実に形にできる人や地域は少ない。ということは実行するための考え方が乏しいのだと思いますが、井口さんはどのように自分達を動機付け実行に移しているのでしょうか

私たちは未来に向けて投資をしている。雪国文化を10年前からコツコツ伝えているのが雪国観光圏の提供する観光です。今日明日の収益源として観光を考えていくことも必要だが、一方では未来のための観光資源も同時に創っていかないといけない。

インバウンドに取り組むのはそういうことです。近い将来のための準備なんです。当然、地域が変わるには時間がかかります。それなので地域のことをやる時には未来の視点を持って取り組んでいます。今の観光産業で収益を上げるのであれば、OTAを活用したほうがよい。ただこれから長く通用する観光産業を考えるのであれば、DMOなどを活用しながら、地域一体となった取り組みを整備していく必要がある。少なくともDMOに関わる人材であれば、未来に向けてのストーリーを描ける存在であってほしい。

「未来に向けての備え」というフレーズを聞いていると、雪国の人が春になったらの冬に備える暮らしの中で培われるマインドにつながっていると感じます。こうした地域のブランドというのは、どう創られていくものなのでしょうか

地域ブランドを10年間創り続け。こうすればいけるって仮説はできました。順を追って話をしたいのですが、まずブランドで考えていただきたいのはiPhoneです。ブランドに必要には圧倒的なストーリーがiPhoneにはある。そしてカッコいい。スティーブジョブズの世界観、品質、壊れないとかスムーズにサクサク動く、ストーリーだけでなくて品質が担保されないと上手くいかない。あと忘れられがちなのが提供場所なんです。iPhoneが家電量販店で山積みになっていたらどうか?あのTシャツの定員がアップルストアで売っているところがなんかiPhoneの世界観を伝えてくれますよね。

大事なのは、ストーリーと品質、提供場所。この3点です。

「誰彼かまわず売ればいい」をやっていると確実にコアターゲットの人が買いたくなくなる。売れるからといって誰にでも売っていいわけでない。商売人はこういったことをちゃんと計算している。

地域の観光に取り組まれる方は、iPhoneを理想形とした時にちゃんと地域ブランドってやっているのだろうか?こういう考え方に落とし込んでいるのか?というところを自問自答した方がいいですね。「動画作ってバズればいい」という考えで、プロモーションをしてそれで上手くいっても、興味を持ったお客さんの対応まで考えられていないことがある。動画を見て体験はどこに手配すればいい?と問い合わせがきた時に「電話帳見てください、サイト見て勝手に予約してください」と、観光協会が回答していたらどうでしょうか、これではマーケティング風なことやっているだけです。ビッグデータもそうですね。データを集めてはいるけれど肝心の「誰に、どういう体験を、どうやって手渡したらいい」か、という観点が抜けています。て手渡したらいい」か、という観点が抜けています。

私もマーケティングに携わる者として、プロモーションとマーケティングとブランディングの混同というか言葉の乱れはなんとかしたい課題です。そうした現状の是非はさておき、どうやったら地域ブランディングができるようになるか、取り組む際のポイントを教えてください。

まずはストーリー性。選ばれるというよりは「選んでいただくという状況」を作る。自分達じゃなくて、お客さんがどうやって選んでいただくかと、何も目的がない時にどうしたら地域に立ち寄ってくれるのか?
往々にしてあるのは地域でパンフレットを作る時に、この店はパンフに載るけど何でウチの店は入れてもらえないの?ってパターンです。これになるとパンフレットの中身がグチャグチャになる。そんなパンフでは選んでいただけない、という客観的な視点が必要。選んでいただくためにどうしたらいいか?そう考え取捨選択した結果、雪国観光圏では「文化」をテーマにした小さなセレクトショップを作った。

取捨選択の、「捨てる」部分の合意形成がとても難しいと地域と仕事をしていると感じます。他に大事な観点はありますか?

次に品質です。宿泊施設のリノベーションをしようとすると設備投資にお金がかかります。ですが視点を変えてみると、食の改善であれば、お金をかけずにできます。食の次は、アクティビティです。ryugonでは山菜やキノコは地元の物を出しています。それを自分達で山菜ツアーをして取り行くアクティビティを経験してから、食べるというのは付加価値なんです。アクティビティ単体で儲けるではない。食の価値をあげるためにアクティビティ。

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それでしっかりお客さんがついて、ブランド認知がされて、金回りがついたら設備投資という順番です。この順序でやっていくと、そこそこなイノベーションができるんじゃないかというのが僕の考えです。

確かにできるところから始めていくというのは大事ですね。ついついできない理由を探したくなる。でも足元からコストをかけずにブランドって創れるというのが発見でした。さて最後の提供場所はどうでしょうか

提供場所で言うと、雪国観光舎という雪国観光圏の実店舗があります。これがあるというのが大事です。どこに行けば雪国観光圏のアクティビティを買えるんですか?というお客様からの問に対しての答えを用意するのが大事です。観光協会の地域に関連する幅広に用意しているブランドとセレクトショップの観点で両方やっています。

お話を聞いていると宿と地域の一体感があるように感じます。この辺りはやはりこだわっているのでしょうか

雪国観光圏が地域OS、Ryugonはアプリケーションだから上手くいっています。これがけっこうマッチしていないところが多い。市長はいろんなことやっていて、旅館は旅館でやっている。旅館の人が観光協会をやっていない。そうなるとOSとアプリケーションが別々に動いていないのでどこかチグハグになります。
ヨーロッパの観光地、例えばスイスのツェルマット、地域の中に宿がある。
それに対して日本では宿が先にあってから、地域が後からできている。地域にしっかりと文化があって、その中に施設があるかどうかが、居心地のいい観光地とそうでないかの分水嶺です。ここがマッチしていると宿とアクティビティの価値が出てきて、新潟の魅力、そこで生活する人達の魅力が輝きだします。

昭和の価値観で見た時の観光後進地域というのはこれから自慢になります。だって手付かずだからこそ、すごいポテンシャルがある。その地域で生きた人が生活していて実業がある。こんな魅力的なことはありません。例えば燕三条の玉泉堂さん。

ここは60代の職人さんもいるけど隣には美大を出た20代の職人さんもいる。この世代が継承されている感じの心地がいいんです。おじいちゃんしかいない職場は痛々しい。文化はベテランの職人さんだけじゃなくて、現代の若いがその中に生きがいを見出しているというところもポイントです。燕三条の地域全体でそういったことをやっている。私たちも若い人の考える雪国文化を入れたい。

ryugonではプロボノとう新しい取り組みをしています。ryugonの仕事を手伝うと部屋を無料で貸すという労働とサービスを交換する仕組みです。

とても面白いですよね。私も雑巾がけと草抜きをさせてもらって昨日泊めてもらいました。

付加価値の高い商品に対して、一部の富裕層しか利用しないものを私たちは「クラシックラグジャリー」と定義しています。それに対して私たちが目指す客層はモダンラグジャリーマーケットです。モダンラグジャリーとは文化や独自性に重きを置く価値観を持っており、自分が興味・関心を持っているものに関しては、徹底的にお金を使うが、自分が価値を見出していないものについてはお金を使わないというタイプです。またモダンラグジュアリーの客層には多様性がある。ryugonでは、一つの思想を持ちながらオーケストラのように音を作りたい。宿と地域がコンセプトとコンテクストをもって、若い人がプロボノで泊まりに来て年配の方がヴィラスイートに止まっていて、それがラウンジで交差するような新しいハーモーニーを創れるりたい。これは将来的にやっていきたい。

まとめきれないくらい貴重なお話を聞かせてもらってありがとうございます。井口さんのお話を聞いているとスケール感に圧倒されます。この文化の継承という考えに至ったキッカケを教えてもらえませんか?

それは龍言という旅館をryugonという古民家ホテルへの再生を引き受けるところに話を戻さなくてはいけません。当時前のオーナーより、旅館の経営を引き継いでほしいと相談がありました。1年くらいの時間をかけて会社の評価をした結果、会社の経営権を引き継ぐ決意をいたしました。
龍言という一部のお金持ちを相手にした温泉旅館を繁盛旅館にしても未来がないことは目に見えていて、世界マーケットを相手に雪国の世界観をやった方が未来があるからryugonにしました。
世界の旅行マーケットを見ると世界遺産に集まるのはアジアの人なんです。ヨーロッパの旅行者は、その世界遺産の近くの高級なエリアにいます。世界の旅行マーケットはそういう構造になっている。新幹線があって便利な越後湯沢がアジアの集まる場所であるなら、そこから20キロ離れた六日町はヨーロッパの方が集まるにはちょうどいい距離感です。このようにエポックメイキングに考えてリノベーションしました。

最後に教えていただきたいのは、井口さんがryugonを再生させるにあたっての「覚悟のつくり方」を教えてください。旧経営者から多額の負債を背負い、未来に向けて新たなリノベーションを実行できることは並大抵のことではないことだと思います。観光庁長官表彰を受賞し評価されているのがその証左です。観光に携わる人たちが、井口さんのように過去から何かを継承して現代・未来のために変化していくにはどういう感覚が必要ですか?

私と木立さんは世代が近いから感覚は共通しているからわかると思いますが、何より想いがあるかどうかだと思います。すべて損得計算で事業を考えたらこのようなリノベーションにはなりませんし、そもそも雪国観光圏など生まれなかったと思います。そういう意味では何よりも「想い」と「理念」は大切にしています。また自分の信念に向かって一歩ずつ動くことも重要です。特に若い方々は頭で考え、やる前から諦めている人達が多いと思う。

お伝えしたいのは「体験しないとわからないことある」ということです。動けば風を感じます。

地域の人とちょっと話すとその地域を分かった気になる方もいますが、地域創りはそんな簡単なものではないです。そしてバットは振り続けないと当たらないんです。

この前、北海道で地域創りをしている方と話しましたが、行きついた結論は「こうした地域創りは理屈なんてない」ということでした。理屈通りのビジネスセオリーで勝負していったら必ずGAFAに負けます。「思想」がない人は資本家やGAFAに飲み込まれていってしまいます。それが資本主義です。私は雪国文化を継承し発展するという「思想」を持っていた。これが観光に取り組むみなさんのヒントになれば嬉しいです。


井口 智裕 株式会社いせん 代表取締役
一般社団法人雪国観光圏 代表理事、合同会社雪国食文化研究所 代表理事
株式会社龍言 代表取締役
1973年新潟県南魚沼郡湯沢町生まれ。Eastern Washington University経営学部マーケティング科卒業。旅館の4代目として家業を継ぐ。

1998年に同級会をターゲットとした新たな宿泊プランを企画し、当時スキー客とビジネス客が中心だった宿を8年間で大幅に経営改善を行った。 その後2005年に社長に就任し、「湯沢ビューホテルいせん」を「越後湯澤HATAGO井仙」として大幅リニューアル。開業1年で各種メディアに取り上げられる繁盛旅館に変革。2008年には周辺7市町村で構成する「雪国観光圏」をプランナーとして立ち上げ、事業推進に尽力。2011年には旅館仲間3人で合同会社雪国食文化研究所を設立。地元産の農産物を活用したメニュー開発を進め、道の駅で2店鋪の飲食店と食品加工場を運営する。

また2013年には観光地域づくりプラットフォームである一般社団法人雪国観光圏を設立し、代表理事に就任。観光品質基準、人材教育、旅行商品開発、CSR事業など地域づくりの中核組織の推進を行っている。企業経営者としての第二創業や人材育成、また事業者として携わる観光地域づくりなど幅広いジャンルで講演などの実績がある。著書に『ユキマロゲ経営理論(2013年、柏艪舎)』がある


井口さんのお話はどうでしたか?理論と思想と、なによりも実行力がとんでもない。欧米のツーリストがryugonに来たくなるのは、ハードだけでなくてソフトの面でも完成度が高いからだなぁと、納得しかないです。欧米の方を集めたいと思っているインバウンド関係者は1度訪れることをオススメします。
雪国の人が「備え」を大切にして先を見据えているように、私も100人インタビュー企画を執筆と取材を途切れないようにコツコツと進めていくことにします。

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取材後記

井口さんとは、私がインバウンド駆け出しのころの2016年の「全国観光圏推進協議会」でお会いさせていただきました。それから2021年になってから急に新潟県庁さん県観光協会さんと縁が深くなり、新潟県インバウンドカレッジの仕事で再開しました。
ryugonに初めて行ってみてその完成度と思想に圧倒されました。その後に井口さんの話を聞いて、感じたのは井口さんの4代目として宿や地域を継承して発展させていく覚悟。それが具現化した姿がryugonであり、雪国観光圏なんだなって。私も会社の新規事業で始まったDeepJapanの2代目ピッチャーのような形でマウンドに立ってますが、初代立ち上げチームの願いや思想を継承し、どう次世代に向けて発展させていくか?自分の仕事を見つめ直すいいキッカケになりました。(木立)

インタビュー・木立徹
DeepJapanのプロデューサー。これまで手掛けたインバウンドの公共事業は140以上。仕様書を読むのが趣味。インバウンドの専門家のコミュニティの運営や在日外国人800人をネットワークしている。
大阪府出身、さいたま市在住


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