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言葉が響く組織。

以前、小学校の先生は優秀なファシリテーターだ。という記事を上げましたが、今回は毎年強いチームを作り上げる甲子園常連校の監督にフォーカスしたいと思います。

甲子園常連校監督の言葉はなぜ響くのか。

以前、小学校の先生は優秀なファシリテーターだ。という記事を上げましたが、今回は毎年強いチームを作り上げる甲子園常連校の監督にフォーカスしたいと思います。

甲子園の常連校監督に共通項のひとつは、人を動かす響く言葉を持っていること。つまり、自分の考え方や、スタンスを持ち、上っ面ではなく、本気の言葉(本気=本当の気持ち)で、生徒は勿論、親御様や学校をひとつにする求心力を持っていることです。

プロ野球の常勝チームと、甲子園常連校の違い。

プロ野球で常勝チームと聞くと、川上哲治監督が率いたV9の巨人軍。森 祇晶監督が率いた1980~1990年代の西武ライオンズが真っ先に思い浮かびます。どちらも名将の存在はあったものの、共通するのは常勝期間のレギュラーメンバーは、ほぼ固定されていました。

対して、高校生活は3年間。夏が最後と考えると実質2年間ちょっとです。毎年3年生は卒業するので、チームの1/3は入れ替わります。にも関わらず甲子園の常連校であり続けるには、名将と言われる監督の存在はより大きなものになります。

相手は高校生。しかも、毎年メンバーが変わるにも関わらず、強いチーム(組織)であり続けることは簡単では無いと思います。当然、監督の手腕はグランド外のスカウティングや、学校を巻き込んだ環境づくりも含まれているはずです。毎年1/3のメンバーが、入れ替わる前提でチーム作りをしています。

人材の入れ替わりを前提とした、強い組織。

社会に目を向けると、終身雇用が崩壊し、転職が当たり前になり、1社への在籍期間は短くなっています。一部の有名企業以外は、優秀な人材の確保が難しくなり、人がすぐ辞めてしまうスパイラルに頭を抱えています。サステナブルという観点で企業を見た時に、人材の確保は死活問題です。高校野球のように毎年1/3の社員が辞めることを想像すると、ゾッとします。

これからの企業は、社員が短期間で結果を出せるような組織づくりが必要になります。人が入れ替わることを前提にし、むしろプラスに捉える組織づくりです。長く在籍してもらうことを理想とするのではなく、短い期間で結果を出してもらうことを理想とする組織づくりが重要になるはずです。そのためには、高校生が甲子園を目指すように、人が入れ替わってもブレることがない、単純で明確な目標を共有する必要があります。そして、甲子園を目指した高校3年間のように、精一杯同じ目標に向かって努力した人を、最高の言葉で気持ちよく送り出す。そんな組織がこれからは求められるのではないでしょうか。

一度作り上げたチームを壊しては、また作る。
毎年その繰り返しをしている甲子園常連校の監督はやっぱり凄い。

これからの時代に求められる組織力。

言葉が響くのは、受け手の共感があってこそ。言葉の文脈を理解できる人材教育と、そんな人材が育つ環境づくりこそが、名将の条件なのだと思います。同じ環境で、同じ目標を目指した人たちにしか読み解けない文脈があります。響く言葉を語れるのが凄いのではなく、言葉が響く環境を作れることが凄さなのかもしれません。

国も、企業も、プロジェクトも、様々な組織において、これからは今まで以上のスピード感で変化することが求められるはずです。そんな時代に重要なのは、リーダーと、メンバーが同じ目標を共有し、お互いの言葉が響き合う環境、組織なのかもしれません。

名将の言葉。

最後に私が好きな名将の言葉をご紹介します。

花巻東高校 佐々木洋監督

ベンチ入りした20名は
ベンチに入れなかった仲間たちの分も
全力でプレイする義務がある
ベンチ入りできても
打席に立てない仲間もいる
グラウンドに立ったものには
全力で走り抜ける権利がある
『義務と権利』
その言葉を忘れるな。


駒大苫小牧高校 香田誉士監督      

行く言葉が美しければ返る言葉も美しい
人生はキャッチボールのようなもの
いい球投げればいい球返る、優しさ投げれば優しさ返る。思いやり投げれば絶好球が返るのです。


星陵高校 山下智茂監督

心が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる


常総学院 木内幸男監督

人を作ってから勝つよりも、勝ってから人を作る方が簡単なんだ


智弁和歌山高校 高嶋仁監督

高校野球は教育の一環ではない
勝負の厳しさを味わう場だ苦しい思いをした人間だけが逆境をチャンスに変える


大阪桐蔭高校 西谷浩一監督

磨かれた人間の想いが集まることで、不思議な力が生まれる。


東海大相模高校 門馬敬治監督

「見逃すな」って選手にすごく怒るわけじゃないですか。でも、一番見逃しているのは僕ら。選手に投げかけてる言葉って、結局は自分に言ってる言葉じゃないのという感じがするんです」


興南高校 我喜屋優監督           

「誰かが犯したミスを見つけてしまったわけだから、それをカバーするのが見つけた人の責任」 「気持ちさえ前向きになれば、みんなが「そうではない」と言うことも「そうだ」に変えられる。非常識が常識になるんです」


龍谷大平安高校 原田英彦監督

「ええカッコせえ カッコようなれや 甲子園で打ったらカッコええで」


県岐阜商高校 藤田明宏監督

「本気と一生懸命は違う 本気というのは自分の中から湧き出てくる本当の気持ち」


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